低圧注入工法の問題点を工事現場から報告したいと思います 全国に数少ない低圧注入工事を生業とする専門店への啓蒙も微力ですが広く行いたいと考えています

フロッグの行く先

コンクリートのひび割れ補修の専門です

擁壁のひび割れ注入はこんな風に

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擁壁のひび割れが多くなっているようですが、今回も正しい擁壁のひび割れ注入はこんな風に・・・。

今回の震災で新しく発生したひび割れについてはひび割れの中にエフロ、苔等はありませんから下地を軽

く叩いてひび割れをはっきり現せるだけで良いのですが、以前から発生していたひび割れの場合にはエフ

ロ等で詰まっている場合があります。


ひび割れの上を叩くとは?


ひび割れの上を15cm角程度のベニヤ板で平面部を押さえつけるように叩くとひび割れがくっきりと現れて

きます。


そのようにひび割れの表面が詰まっている場合は、そのまま注入器具を取り付けても決して樹脂の注入は

できません。


びっくりしますが職人さんの中には注入する樹脂(エポキシ樹脂等)が独りでにコンクリートのなかに浸

透していくと思っている人がいます。

そんな魔法みたいにひび割れの中に独りでに浸透していく樹脂なんてありません。

低圧注入は樹脂をひび割れの中に充填するのであって樹脂を浸透させるのではありません。


ひび割れの隙間が無くてはいかに低圧注入であろうとも決して樹脂はひび割れの中に進入していくことは

ありません。


ひび割れの表面が遊離石灰等で詰まっている場合は、写真のようにひび割れと直角方向にサンダーで30㎜

ほど切り込みを入れます。

ひび割れの表面近くは遊離石灰等で詰まっていますが、ひび割れの奥の方は正常のひび割れとなっている

場合が殆どなのでこんな風に切り込みを入れるとひび割れが現れてきます。


中は濡れているような場合には、必ず低粘度型の水中硬化型のエポキシ樹脂を注入することが必要となり

ます。


樹脂を用意していないのなら手間でも用意してから注入をしましよう。

エポキシ樹脂は湿潤面でも接着するなどと言っているメーカーもありますが濡れていても接着することは

絶対にありません。

コンクリートが僅かに湿っているかもしれない程度と、すぐに乾燥する場合に限ってのみ使用できますが

永久に湿っている場合は接着しません。


シーリング材とか防水材のメーカーの担当者等はこんな風ないい加減なことは言いませんが、エポキシ樹

脂のメーカーの担当者は案外平気に不確実なことをいうのにはびっくりします。

濡れていても接着するのなら、何も、わざわざ高価な水中硬化型のエポキシ樹脂を造らなくても良いので

はないかと思いませんか・・。


そんなことを平気で言っても問題にならない業界だから低圧注入工法の専門業者がいなくてもなんの問題

も起こらないのでしょうね。


今回の震災で、新幹線の橋梁とか土台も、とても専門工事店では使わない樹脂の注ぎ足しができない器具

が堂々と使用されているのを見ると、残念というか、逆にひび割れとはこの程度でも許されるのかとか

こんなに低圧注入工法を舐めていいのかとか・・なんとも言いようがない複雑な気持ち・・でっす。


器具の中の樹脂が全く減っていないのはどう説明しているのでしょうか・・・樹脂が独りでに浸透してい

くから大丈夫とでも言ってるのでしょうか。


発注者も不審に思わないのでしょうか。


擁壁のひび割れもトンネルのひび割れも住宅の基礎のひび割れもマンションの壁面のひび割れも全部同じ

で、注入する樹脂は最初は必ず超低粘度型の柔らかい樹脂から始めます。

器具の中の樹脂が無くなったら注ぎ足しは次の硬さの樹脂を追加注入します。

これを繰り返して初めてひび割れの中にエポキシ樹脂を確実に充填できるのです。


輪ゴムで引っ掛けて低粘度型の樹脂を一度きりで終わりでは殆ど不確実だと思う今日この頃でっす。


ひび割れを舐めていると想定外のことが起こるかもしれないですよ・・・・。


中部電力の社長に一言

これだけのことになっていても事の重大性が理解できていない無責任さはどこから来ているのでしょうか

12m程度の砂地の堤防が安全だと信じている国民は殆どいないというのを知らないのか


原発を動かすのなら想定外にも耐えるような構造にしてからにして欲しいものですよね。


コントロールができない、廃棄もできない・・こんな核のエネルギーの使用は間違っていると思う人が少

ないのにはがっかりです。


原発事故による癌の集団訴訟というのが将来起こらなければいいのだけれど


浜岡原発はテロで破壊されたら東京も住めなくなるよ。想定外だからと言って、また言い訳かい・・。


御前崎の防潮堤は3k以上も沖に突き出ていて釣り場としては日本一だと思って好きなのですが、一旦大

きな地震が起きて津波がくるともう絶対に戻れないのです・・。