長さ80m高さ8mの土留めのコンクリート擁壁にひび割れが発生しています。
ひび割れが発生してから10年以上も経過していますから所々のひび割れからは遊離石灰と錆汁が流れ出して
表面は結晶化しています。
このような箇所のひび割れの場合は、注入によって擁壁を元通りの強度に戻す事が要求されます。
当然、樹脂もひび割れた隙間に満杯に注入する事が必要です。
この擁壁の場合のひび割れの幅は0.3mm~0.5mmですが場所によっては遊離石灰で目詰まりして
いますからそれなりの工夫が必要です。
上の写真は手摺の埋め込んでいる箇所から雨水が浸入してひび割れから流れ出している箇所です。
下の方は既に遊離石灰で結晶化していますから、ひび割れをカットして奥の詰まっていないひび割れを現しします。
この箇所の上にフロッグを取り付けて注入するのです。
コンクリートの厚さが平均で600mmもありますから超低粘度型の樹脂を多めに注入して後は適合硬さの樹脂を心行くまで注入します。
当然裏側は土の中で注入した樹脂は確認はできませんが、推定量の倍ほども注入するとなんとか大丈夫だろうと安心できます。
施工の単価は少し高くなりますが樹脂は多めに入れるのですから了解して欲しいですね。
この大きな建物は山を背にしてかなり高い場所にあります。
私の場合は、普段は人ごみの狭い街中に住んでいますからこんな所に来ると、なんと贅沢なんだろうと思います。
目的を達成してこんな所にのんびり住めるのはいつの日なのでしょうか・・。
生涯現役で終わるのでしょうか。