低圧注入工法の問題点を工事現場から報告したいと思います 全国に数少ない低圧注入工事を生業とする専門店への啓蒙も微力ですが広く行いたいと考えています

フロッグの行く先

コンクリートのひび割れ補修の専門です

低圧注入工法の注ぎ足しについて

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更新が遅くなっています

暑さのせいでも早朝のサッカーのせいでもありません


時にはのんびりしようと・・遊び癖がついたのです


工事のほうも暇になってきましたのでとても大切な樹脂の注ぎ足しの必要性等を今回は報告致します


低圧注入器具は10社ほどで色々な特徴を持って製造販売がされていますが、私は樹脂の注ぎ足し機能の大

切さは低圧注入器具の基本的な必要機能だと信じています。


コンクリートに発生するひび割れは決して一定の幅などではありませんし、コンクリートの大きさも色々

な形のものがあります。


一度だけの注入では樹脂が足りないそして樹脂が流化すると言う事があります


最も大切なことはひび割れの幅と注入する樹脂の硬さには適合性がありますから、必ず一番柔らかい樹脂

から順番に注入する事が基本なのです。


表面は微細なひび割れ幅であっても裏側はかなり大きな幅のひび割れになっているかもしれません。

微細なひび割れも、大きなひび割れも満遍なく樹脂を充填するのならば超低粘度型の樹脂から注入を始め

ることが大切な事なのです。


そして一番に大切なことは樹脂はひび割れの中で留まってくれなければ駄目なのです


ひび割れの中は底などがあるわけではありません

ひび割れ幅に対して樹脂が柔らかすぎればいくら注入しても樹脂は裏側の下に流れ出してしまうのです



今、国内で販売がされている低圧注入器具の中で樹脂の注ぎ足し機能を持っているのは2社しか無いと思

います。

メーカーの中には機能は無いけど器具を一度取り外して再度取り付ければ樹脂の注ぎ足しはできる

よとか・・・。


現場ではしていないのに質問されるともっともらしく言っている会社もありますが・・。


圧力を掛けて樹脂を押し入れているのに空になったといって器具を外してしまうと折角入れた樹脂が逆流

してしまうという常識がわからないのかと思います。

器具の中の樹脂がなくなりそして時間が経ってからなら漏れないかも知れませんが、その場合は既に樹脂

は下の方に流下している場合が殆どです。

注ぎ足すのなら今度は硬い樹脂が必要なのです

そのようなひび割れの中の状態を判断するのに時間が経ってしまっていたのでは訳がわからなくなるとお

もいます。

一箇所の器具に注入の時間を置いて注入すると樹脂の間に空気を挟んでしまいますよ


注入していて、すぐに器具を外しても樹脂が漏れてこないという理屈なら仮止めシール材も必要が無いと

思いませんか。

見えないほどの隙間からも樹脂が漏れてくるからこそシールの技術が必要なのです


天井面で外してしまうと作業する人はエホキシだらけで服は一度で使い物にはなりません


このような事を言うメーカーは、樹脂の注ぎ足しは柔らかい樹脂と硬い樹脂が混ざり合うのでエポキシ樹

脂の硬化等に問題が発生するので良くない等と訳のわからない事を言います


そこで、今回は樹脂の注ぎ足しを画題で再現しました

写真は黄色の樹脂は超低粘度型の樹脂でブルー色は低粘度型の樹脂です

1升目の大きさは5cmです

3升目で150cmのコンクリートの厚さになります


最初に注入した黄色の樹脂に続いてブルー色の樹脂を注ぎ足すと、黄色の樹脂は注ぎ足されたためにその

量だけ内部で拡がっていきます。


注ぎ足したからと言ってただちにひび割れの中で樹脂が混ざり合うと言う事は絶対にありません


確かに樹脂が接している部分は樹脂が混ざるというよりは接しています


この現象がどうして問題となるのでしょうか


低圧注入工法によって侵入していく樹脂は例えばトコロテンの突き出しと同じ現象で先に注入した樹脂を

後ろから押すという現象はどのような場合にも同じだと思います。


もしもひび割れの中に巣穴があったとしても内部で攪拌されるわけではありません


輪ゴムの器具のメーカーの営業員はこのような現象も知らずに樹脂を注ぎ足すのは問題です・・と言う事

を平気で言っているのでしょうか。


そもそも粘度の違うエポキシ樹脂を混合して何が問題なのでしょう


それぞれの樹脂を基本どおりに混合してそして混ぜ合わせたとしても硬化には全く問題はありません

時間が来ればしっかりと硬化します。


数年前にこの輪ゴムのメーカーの営業員が注ぎ足しによる樹脂の混ざりには問題があるといっていると現

場の監督から連絡があった時に

私から直ちにこの会社の東京の技術部に何故問題があるのかと問い合わせたら・・・


いえ、硬化しないとかそういうことではなく・・・混合した時の強度とか色々のデーターを持っていない

のでしない方がよいと言っているのです・・・とか。

混合しても良いという事で現場に伝えてしまうと、ではデーターを出しなさいと言われたらそのような

データーは用意していませんから無責任だと言われますよね


では混合したもののデーターを作ればいいのでは・・・・。

当社ではそのようなものは考えてもいないし作る積もりもありません


私がメーカーに在籍しているときに例えば横浜ゴムのシーリング材と自社のシーリング材をそれぞれの

主剤、硬化剤を入れ替えで混合してそして簡単なデーターを作ったことがありました。


このような考えられないようなことの結果を知る事は決して無駄だとは思いません


メーカーには技術開発型の企業と技術よりも販売に力を持ついわゆるOEM商品、リセール商品を主にする

ディラー型の企業などがありますが、私はメーカーは物を開発し造る事が基本であって欲しいと思いま

す。


色々な無駄と思えることにも興味をなくして面倒だと考えているのなら残念ですね・・・。