低圧注入工法の問題点を工事現場から報告したいと思います 全国に数少ない低圧注入工事を生業とする専門店への啓蒙も微力ですが広く行いたいと考えています

フロッグの行く先

コンクリートのひび割れ補修の専門です

ひび割れを生業としてる職人でなかったら

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今回はネットからのご相談から始まって施工となった物件です

我々のひび割れ注入工事は公共の大きな橋梁があったり、すぐ次には住宅の基礎部分のひび割れ補修だっ

たりとその取引先とか構造物には大きくすべてが違ってきます。


しかし我々が施工する相手のひび割れはどんなところでも同じような症状で、その施工方法も殆ど同じ

なのです。

地下鉄のひび割れもトンネルのひび割れも大きな国道の橋梁もその施工方法は殆ど一緒なのです


その構造物の大きさよりもコンクリートに発生しているひび割れの幅とかその周辺の劣化の状況にによっ

て我々は考え込むのです。

例えばひび割れ幅が極端に大きい場合に、単純に注入してその部分を固定してしまっても良いのだろうか

後日にその部分に力が加わった場合に更に大きくコンクリートが割れるのではないか。


本来ならばエキスパンションとして目地を作るべきなのに、施工時にコンクリートを繋いでしまって割れ

た場合などなど・・・・。


今回の場合もお施主さんは色々と慎重に検討されたようですが、他の方法よりもひび割れを接着剤で固定

するという方法を選択されたようです。

一般的にネットを調べて連絡を頂くお客さんは、発生したひび割れについては普通の工務店の社員さん以

上に勉強されていると思います。



例えれば、自分の子供の病気の症状は医者よりも詳しいという事に似ています


今回の擁壁のひび割れ幅は最大で15mm以上もありました

このような場合にはその発生した原因が短期的なものなのか長期に亘って発生したものかによってその補

修の方法は変わるものだと思っています。

短期的な発生は地震とか擁壁に車などが当たったとか、長期的なものとしては地盤の不動沈下とか・・。


地盤の沈下等については根本的なところから作りなおした方がベストだと思います


今回はひび割れた個所も白く新しいために短期的な発生だと推察できます

お施主さんも前回の地震以来の発生ではないかとの説明です


ひび割れ幅が8mm以上の場合は低粘度型の樹脂を注入後に中粘度型の樹脂または高粘度型の樹脂を注ぎ

足し注入を何度も行います。


そうです入るだけ入れるのです

何度かして注入時に硬い樹脂に圧力が掛るようになったら樹脂はひび割れの表面に上がってくるという

状況を推察して欲しいのです。


樹脂が入るからと言って適合性のない軟らかい樹脂をいくら入れても幅の大きいひび割れの場合はひび割

れの表面近くには決して留まってはくれません。


ひび割れ補修工事の低圧注入工事を生業にしている会社、施工店は首都圏では聞いたことがありません

このような微細なひび割れ幅から15mm幅のひび割れに対応できる樹脂は最低でも3種類の硬さの違った

樹脂を使わなければ確実な仕事はできません。


生業としていない工事店で、はたして3種類の樹脂を在庫したり常に現場に持参できるのでしょうか

樹脂は一般用、冬用とありますが季節に合った樹脂を常に用意できるのでしょうか




今回はひび割れ幅が大きい個所は注入後に15mmの目地を造っています


目地には変性シリコーンシーリング材でシールをしています



付近はエポキシ樹脂で固定していますから、再度の大きな動きがあった時に注入した個所以外のところが

大きく割れる恐れがありますから、なんとかこの目地でその動きを吸収して欲しいとの願いで数か所は目

地を作成しています。

参考ですがコンクリートの引っ張り強度とエポキシ樹脂の引っ張り強度を比べるとエポキシ樹脂の方が

倍ほどの強度があります。


従ってひび割れの箇所に大きな力が掛ると再発するのは補修した個所ではなく近くのコンクリートの弱い

部分となります。


写真にはありませんがこの後に補修した個所にはエボモルとコンクリート補強材で仕上げをしています


低圧注入工法を生業とする施工店が育たなければフロッグのように中,高粘度型の樹脂が注入できる器具

を使いこなせないのです


いつまでたっても注射器タイプで輪ゴムで一発限りの注入器具ではこのような現場ではうまくいかないと

おもうのですが・・・。


輪ゴムタイプは中、高粘度型の樹脂は注入できないことはご存じでしょうか