駅のすぐ近くの繁華街の中にあるテナントビルが今回の現場です
このビルのオーナーさんとの付き合いも10年以上にもなりますが、今度のビルはなんと17棟目の買い物だ
とか・・・。
最初は私と同様のサラリーマンだったとか・・・・
何かのチャンスを絶対に逃がさないなどの才能が私とはそれこそ雲泥の差だったのでしょう・・・
うらやむよりも自分の才覚のなさをほとほとと知らされますよ・ね・。
建物は築後40年ほどらしいのですが、外観はオシャレないかにも街中は見られるいい雰囲気の建物です
今回は2階から6階までの空いている部屋すべての内部の修繕工事です
開口部には殆ど大きめのひび割れが発生しています
これだけのひび割れなのに意外と漏水が少ないのにびっくりしますが、外部からみると漏水のために
シーリング材をシールしたりUカット工法で止水したりしているようです。
ひび割れから漏水する場合に簡単にはそのままひび割れの上にシーリング材をシールする方法が一番
簡単ですが止水の効果はあまり期待できません。
漏水は躯体のひび割れからであって仕上げ材のひび割れが原因ではありません
仕上げ材のひび割れの上からシールをしても、その下の躯体のひび割れを何とかしなければ仕上げ材から
浸透してくる雨水は止めることができません。
写真で説明すれば、外壁の表面をU型に溝を切りそしてその溝に変性シリコーンシーリング材を塗ってい
ますが、おそらく内部に漏水している時にひび割れが表と裏側にひび割れがあったのでそのひび割れに
沿って溝を造ったのでしょう。
コンクリートの躯体に傷をつけるといずれはその部分は材料の経年変化で必ず目立ってきます
前に見た事がありますがマンション専門の改修業者での現場では、ひび割れというひび割れは全て10㎜幅
×15㎜の深さのUカットでの溝を造りそしてシーリング材と樹脂モルタルで埋め戻しているのです。
それこそ笠木だろうが梁だろうが関係はありません
ひび割れた個所は全て溝を造りシールしているのです。
この業者はそのような補修をしたら10年先、20年先の事はどうなるのかなどは眼中にないのでしょうか
そもそもUカットの工法は割れたコンクリートの強度を元通りにするなどの機能は全くありません
そしてひび割れたところすべてにわたって溝を造るという事もできません
溝を切るサンダーの刃は10㎝径の大きさですからサッシとか傷を付けてはいけない場所があるところは
それらに傷がつくためにその付近は溝が造れません。
そうなのです肝心の漏水についても不確実なのです
今回の建物についても写真の場所は溝を造りシーリングしていますが内部には漏水があります
経年変化なのか施工してすぐの漏水なのかは解りませんが、コンクリートに傷をつけてこの程度なら溝
も切らないで撥水剤を塗っただけでも変わらないのではないかと思います。
結局のところマンションの場合はマンションの管理組合の人たちの勉強不足が自分たちの建物の価値を下
げてしまっているという事だと思います。
この建物の場合は繁華街の立ち並ぶビルの側面ですから窓下に派手にシーリング材を塗布しても目立ちは
しないのですがシーリング工事のプロならばもう少し目立たない仕上げがありそうなものと思いますが
もしも最初から低圧注入工法でひび割れに樹脂を注入していればこんなに漏水しないで更には殆ど目立た
なく止水工事ができたはずなのにと思います。
施主も建てた工務店も低圧注入工法なんて知らなかったのでしょうね
今回の施主は低圧注入工法を熟知しているという事もあって今回はひび割れというひび割れにはフロッグ
工法で補修するという事になっています。
一番下の写真は内部にある補修しているモルタルのひび割れなのか、躯体のひび割れかわからないので
ひび割れにはすべて注入をしています
あと一日で完了です
終わったら連休はどこも行かなかったので「釣りにいくべぇ・・」