低圧注入工法の問題点を工事現場から報告したいと思います 全国に数少ない低圧注入工事を生業とする専門店への啓蒙も微力ですが広く行いたいと考えています

フロッグの行く先

コンクリートのひび割れ補修の専門です

結果が見えない工事とは

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横浜の傾いたマンションについて色々と詳しく報道されていますが、いつの間にか日本人らしい繊細で確

実性を求めながらの物づくり精神が無くなってしまっているのに本当にがっかりします


今日のテレビで元杭打ちの作業員の話ではこのようなことは今までには頻繁にあった事で、まさか今回の

ように建物が傾くなんて経験も想像もしなかったとか・・・・・


こんな話を聞くと我々の低圧注入工事にも似ているのではないかとびっくりします


土木、建築の仕事の中で作業したその結果が直ちには見えないというような仕事はあまりありませんが

この杭打ち工事もそうなんだと理解しました


例えばコンクリートの中に埋まってしまう鉄筋などは確かに完成してしまうとその内部は見ることはでき

ませんが、配筋が終わって型枠を組む時にその数量また不都合なことについては目視で検査することがで

きます。

鉄筋についてはその気になれば完成後にもレントゲン撮影ならばほぼ確実に見ることができます


しかしこの杭打ち工事とか穿孔によるアンカーボルトの固定、そしてひび割れの中に接着剤を注入する

作業については施工した後では殆どその結果の検査はできません。


杭打ちの施工の場合は回転するモーターの負荷によって発生する電流の大きさ等によってデーターを取る

という方法が施工中の確認の方法ですが、施工した後になって本当に岩盤に到達したのかどうかについて

は簡単には検査はできません。


穿孔によるアンカーボルトの取り付けは穿孔した穴の中で接着剤が確実に混合されてボルトに接着したの

かという確認とかは簡単には解りません。


施工後に施工した本数の一部を引っ張り試験を行う場合もありますが全数は検査はしません


数年前の中央道の笹子トンネルの天井版の崩落はこのアンカーボルトの接着不足と接着剤の劣化によるも

のとの報告がありましたが接着剤の劣化が見えないという事がこのような大事故を起こしたと思います


我々が今、施工しているひび割れの中に接着剤を注入する低圧注入工法の作業環境は上記の工法と比較し

てどうなのでしょう・・・・


恥ずかしい限りですが比較にならないほどずさんでいい加減な施工がまかり通っているのが現状なのです


そもそもひび割れの中に接着剤を注入する施工を生業とする職人さんが存在しないのですからそのレベル

は解ると思います。


信じがたいでしょうが新幹線の橋梁のひび割れ補修とか国道等の橋げたのひび割れ補修工事で低圧注入工

事がありますが殆どの場合は兼業の職人さんが施工しているのです。


仕様書に国家資格の注入技能士で施工するようになど専門業者で施工という特記仕様もありません


ひび割れ注入の低圧注入工法は国で採用してから既に30年以上にもなり国家資格も既に30年ほどになるの

にどうして専門業者が育たないのでしょうか・・・


結果が見えない仕事だからそして検査もなく施工中の管理もないものだから・・・だつたら雑工事担当の

素人でも良いだろうという事がその原因だと思います


そもそもこのひび割れに樹脂を注入するという仕事は歴史をたどると土木から始まってます

土木工事は昔はゼネコンの飯場で殆どを施工していたという歴史があります


ひび割れが発生したとしてもわざわざ山の中まで業者を呼んで施工させるという事はあり得ないという歴

史がその後のひび割れ補修工事に影響しているのではないかと私は思っています


今からでも遅くありません、ひび割れ補修を生業とするような施工店を業界で育てていくような体制を

整えましょうよ・・・・。


専門業者が増えれば、例えば樹脂の注ぎ足しができない器具とか硬い樹脂が注入できない器具などは淘汰

されて確実に注入できる器具の研究が進むと思うのです