低圧注入工法の問題点を工事現場から報告したいと思います 全国に数少ない低圧注入工事を生業とする専門店への啓蒙も微力ですが広く行いたいと考えています

フロッグの行く先

コンクリートのひび割れ補修の専門です

剥離性シール材の新商品

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新年の挨拶の時に某メーカーから剥離シール材の新商品を造ったので検討してと言われたので既存の製品

と比較してみました。


興味がある方は参考としてもらえれば嬉しいと思います


これは決して特定の製品の誹謗中傷などではありませんので誤解のないようにお願いします

あくまでも職人の立場からの意見として見て頂きたいのです

既に市場に普及している他社製品との比較でもあります



このメーカーはかって市場占有率が高い注射器タイプの製品と全くの類似品を製造販売して中国の会社み

たいと一部で噂になった会社でもあります。


何はともあれ試験結果について報告します

まず荷姿ですが、写真の左側が新商品で右のラベル印刷しているものが市場で見かける製品です


剥離シール材にはウレタン系、変性シリコーン系そして合成ゴム系の3種類があります

ウレタン系にはカートリッジタイプだけではなく2成分型もあります


新商品は最初からプラスチックノズルが締め付けられています

通常のカートリッジタイプの場合はシリコーンを除いてすべてノズルはあらかじめ外してあります


カートリッジのノズルの個所には必ずアルミ製の防湿フイルムが張ってりますからノズルを取り付ける前

にこのフイルムに穴を開けなければ樹脂は出てきません。



つまり常識なのですが使用する前からノズルを取り付けてしまってはそのフイルムに穿孔できませんので

わざわざノズルを一旦外して穿孔してから再びノズルを取り付けるという二重の手間が必要となります。


ホームセンターにあるカートリッジはあらかじめノズルは取り付けてありますがこれには理由があります

まず素人の方が使用するので外しておくと無くしてしまうとか、使用量が数本の為にその手間もそんなに

はかからないとか・・・・販売する方の便利からあらかじめノズルは取り付けているのです。


正直なところ日々使用している職人からすれば昔からカートリッジのノズルは外してあるものと考えてい

ますから、このような荷姿を見るとこのメーカーは使用している姿を見ていないのかと・・全くの素人か

と思ってしまいます。

この製品には外箱にはLOT番号がありません


容器にはそれらしい番号があるのですが製造年月日とかLOTとの表示かないので何の数字か不明です


お金を貰うなら基本的な決まりは守らなければいけませんね


付着性とか剥離性については他社のものと殆ど変わりません


冬場での施工について他社に比べてさほど優れているとか劣っているというのはありません


タイルのひび割れに使用した場合は今の外気温度(10℃程度)ではなんと5日間程も掛かります

プラスチックの台座と磁器タイルの間には湿気も酸素も侵入しませんからその硬化には極端に時間がかか

るという事なのです。


この症状は他社の製品でも同じですからそもそもカートリッジタイプではタイル下地には使えないという

事です。


ガラスとかタイルのような場合は2成分型の剥離シール材が適合しています、硬化剤で固めますからね


このメーカーの今回の製品についてはノズルの問題だけが手間という欠点がありますが価格がそれに見

合って安ければなんとか使えると思います。



この製品の最大の問題点はカタログにあります


公的な建物の場合には出荷証明とかMSDSとかカタログ等を提出しますが、このカートリッジ製品のカタロ

グの使用手順には肝心のヘラ押さえという手順がありません。

つまりカートリッジで材料をひび割れの上にシールしたらそのまま注入するらしいのです


セッティングの要であるシール材の押さえの手順がないのです


ひび割れにしっかりとシール材は接着させないと圧力で注入した樹脂は必ず漏れてくるのです


樹脂が漏れて来たら樹脂は決してひび割れの中には入っていきません


目的が達成できない工事となるのです



カタログに簡単施工ができると謳っていますが、手抜きをすればそれは簡単でしょう‥となります


シーリング屋さんにシーリング工事でヘラ押さえをしなかったと言ったら・・・ど素人が・・と怒られ

るでしょう。



申し訳ないのですがこのメーカーはもう少し現場を勉強して・・・今は他社のシール材をもっと知ってか

らにしてはと思います。

はい・・・・・。