低圧注入工法の問題点を工事現場から報告したいと思います 全国に数少ない低圧注入工事を生業とする専門店への啓蒙も微力ですが広く行いたいと考えています

フロッグの行く先

コンクリートのひび割れ補修の専門です

えっ・TVはそんな説明で大丈夫?

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数日前にテレビ東京の番組でミライダネというものがあり面白いよと教えられて見てみました

この番組は題名の通り新しい技術などを紹介する番組なのです


今回は50年を過ぎたマンションの改修工事について新しい補修方法という事でした


TVですから時間的なことも考えてなのか詳しい説明はあまりありませんが、要は劣化したコンクリート

梁柱を写真のような新しい技術の方法で補強するというのです


びっくりしました


梁に穿孔してその穴に亜硝酸リチュウムを注入してコンクリートにその薬剤を浸透させて中性化を防ぎ

強度を保とうというものです


オーナーは50年以上も経っている建物だから建て替えようと思ったけれどこんなにいい方法があるという

事を知ってこの改修方法を採用したとの事でした


ううーん・・・・・大丈夫かぁ


亜硝酸リチュウムて単にアルカリ付与剤なのでは・・・・

なにかコンクリートを強くする成分があるのだろうか


コンクリートはもともとアルカリ成分ですから内部にある鉄筋などはひび割れが無い限り酸化して腐食

するようなことはありません。


確かにコンクリート粗面の表面は50年も経つと幾分かは中性化はするでしょうけどそんなに強度に問題が

あるほどは劣化はしていないと思います


ましてやコンクリートの奥の方はひび割れが無い限り殆ど中性化はしていないと思います


仮に僅かに中性化していたとしても亜硝酸リチュウムでアルカリ成分を付与したらその部分は補強は出来

るのでしょうか


ただ単にアルカリ成分が付与されただけでそのままでは梁の強度は変わらないと思います


この後に穿孔した個所をエポキシ樹脂のようなもので元通りにしてそして例えば炭素繊維で梁部分を補強

するなどをすれば確かに確実に補強したと言えますが、それは施工するのかどうかは説明はありません


そして解説の中で窓などの開口部をコンクリートを継ぎ足して小さくしているから今の耐震設計の建物

と変わらない・・・・・なんて言っていた


50年前の構造と今の耐震設計の建物とはその構造は全く違います

柱の大きさとか内部の鉄筋の量などまったく違う建物だと言えます


開口部を小さくしたから今の耐震補強と同じなんて、それはないでしょう


例えば学校だとか公的な建物の耐震補強は鉄骨の筋交をいれたり柱を大きくしたり炭素繊維で包んだり

今回の補修工事とは基本的に違います



決してこの工法そのものを中傷しているのではありません

TV局の編集という事もあるのでしょうからなにか変に理解されるような仕上りになつたのかという事もあ

るのではと思います


少なくとも素人の方が見れば50年目のマンションでも改修の方法ではヨーロッパのように100年以上は使

えると思うのではと思います


この番組の最初にヨーロッパでは100年以上も経っても立派な建物があるのに日本では50年が限界なのは

何故・・・・という事から始まっていますからそれに近い技術だと誰でも思うのではと思いますよ


TVの編集者も視聴者の事を考えてそれぞのテーマについてはもっと勉強して欲しいですね