マンションの隔壁のひび割れについては昨年末に2件の相談がありました
この隔壁のひび割れ発生については殆どの場合は入居者の方がクロスが膨れているのを発見して少し剥が
して見るとコンクリートにひび割れがあったという事で補修工事となります
このひび割れの補修方法ですが良く勉強されているデベロッパー、建築会社ならば直ちに低圧注入工法を
採用しますが、このようなひび割れの補修方法を知らない工務店さんなどではひび割れの上にパテを刷り
込みその上に寒冷紗を貼りそしてその上にクロスを貼って仕上げます
もっと原始的な補修方法では、ひび割れの上にドリルで5㎜ほどの穴を穿孔してその穴からグリスポンプ
で高粘度型のエポキシ樹脂を注入しています
パテのみで処理した方法は数年もすると再びクロスが膨れてきます
ひび割れの上に穿孔する方法は基本的にそのような方法では余程ひび割れ幅が大きい例えば1㎜以上なら
注入は可能ですが一般的なひび割れ幅の0.2~0.4㎜程度の場合は樹脂は入るようなことはありません
未だにこのような方法で補修しているのを見ると、このひび割れ補修の工事は一向に進歩していないのだ
なぁと悲しくなりますね
隔壁の場合はそのひび割れがお隣と貫通している場合はクロスが膨れてきますが、未貫通の場合はクロス
が膨れるというようなことは発生しません
貫通している場合は片方から低圧工法でエポキシ樹脂を注入すると余程気を付けないとお隣のクロスの中
に樹脂が入り込み流れ出します
できるならお隣のクロスも剥がして剥離性のシール材を使って空気抜きを造ってシールしておくと汚れな
くて更に確実な仕事ができます
一昔前までは隔壁については必ずブラスターボートをコンクリートに張ってそしてクロスを貼っていたの
ですが、防音そして部屋を広く使える等々で今のコンクリートにクロスを直貼りとなったためにコンク
リートのひび割れがすぐに判るようになりました
写真は隔壁のひび割れにフロッグを取り付けて樹脂を注入している様子です
仮止めシール材は速乾性のエボパテを使用しています
剥がすとひび割れの中にエポキシ樹脂が回り込んでいるのが良く解ります
今年も頑張ります
宜しくお願いしますよ・・・・・