低圧注入工法の問題点を工事現場から報告したいと思います 全国に数少ない低圧注入工事を生業とする専門店への啓蒙も微力ですが広く行いたいと考えています

フロッグの行く先

コンクリートのひび割れ補修の専門です

マンションの隔壁のひび割れの場合

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マンションの隔壁(隣室との壁)に発生するひび割れは、クロス面にミミズが這ったような細い膨れが現れ

ます。


何故クロスが膨れてくるのでしょう

それは次のような要因によります


近年のマンションの内壁の仕上げの方法は、打設したコンクリート表面に樹脂モルタル等で平滑に仕上げ

てその上にクロスを直に貼り付けています。


隔壁の場合はその裏表共クロスで貼り付けていますから若年コンクリートに含まれている水分は長期に

亘って少しずつしか乾燥はできません。


このような状態の時にそのコンクリートに裏表に貫通するひび割れが発生してしてしまうとコンクリート

に含まれている水分がこのひび割れから出て行こうとします。


特に室内で暖房をして室内の温度を上げると水分は暖かい方へ向う性質を持つていますから暖かい室内の

クロス面を押し上げてしまうのです。


この湿気の押し上げる力は侮ってはいけません

アスファルトの隙間から生えてくる根性大根のようにコンクリートに塗ったモルタルをも割ってしまうの

です。


クロスぐらいのものなら簡単に押し上げてしまいます


コンクリートの内部の乾燥は環境にもよりますがそれは約7年ほどは掛かるのではないかと言われていま

す。


コンクリートを打設して2年程度以内のものを『若年コンクリート』と言いますがこの時期のものはまだ

コンクリート内部に含まれている水分は多く残っています。

マンションの室内の押入れの中に湿気が多いというのはこのような現象のせいだと思います


隔壁のひび割れの場合には殆どの場合は耐力壁ではないのでひび割れによる強度の劣化は心配は無いので

すが、場所によってはお隣の音が聞こえるなどの問題がありますのでひび割れの中に樹脂を注入するのが

ベストだと思います。


低圧注入が面倒とかの理由でパテ処理でひび割れを埋めても殆どの場合は再発します


先ほど言った様に湿気の押し上げる力はパテを表面から埋た程度ではとても対応はできません


エポキシ樹脂のようにコンクリートよりも強度に優れる樹脂でひび割れの中までも充填することが大切

なのです。


間違ってもひび割れの中に穿孔して硬いエポキシ樹脂を高圧で注入するような間違った方法はやらないで

欲しいものです。


微細なひび割れの中に高圧の力で硬い樹脂を押し入れる事が出来るなら、面倒な低圧注入工法は発見、発

明はされていませんよ。


満員の電車から一斉に狭い出口に向かって強い力で押されて出ようとしても出口で詰まってしまって簡単

には出れないでしょう。

列に並んでスムーズに出れば怪我もなく簡単に早く出ることができる・・・のです。