知名度の高い設計事務所からの指名での施工です
ひび割れの補修については日頃私たちが理想としている施工方法についてこの物件に関しては意見具申を
してその通りの方法で施工しています
事前の打ち合わせでこちらの要求についても快く理解されて貰って・・さすがに国内でもトップクラスの
設計事務所とゼネコンだと・・・・。
いえ、決して費用の問題ではありません
費用についてはどんな会社であつても当店では変わりはありません
施工の方法なのです
一般的にはひび割れの苦情がある方からクロスを剥がし注入工事を行います
反対側のひび割れについては苦情が無ければクロスに届かない程度までを考慮して注入し完了とします
この方法でもひび割れ補修として見ればそれはそれでコンクリートの強度という事から見ても間違いでは
ないのですが、反対側のクロスに掛かる部分の僅かな隙間について気になるのです
コンクリートのひび割れの中にエポキシ樹脂を注入するという事はそのひび割れた個所の強度を元通りに
することが大きな目的なのです
コンクリートの引張強度は約40~50㎏/cm2でエポキシ樹脂はその引張強度は70~90㎏/cm2なのでひび割れ
の隙間にエポキシ樹脂を充填してしまうとひび割れの再発はその部分には決して発生しません
また、仮にひび割れの中に80%しかエポキシ樹脂が充填されていなくてもその強度の違いからその部分の
ひび割れの再発は無いという事なのです
しかし今回はこの僅かな隙間にも樹脂を充填したいというのが我々の思いなのです
この意見具申が隔壁のすべてのひび割れには裏表共クロスを剥がし施工しようとなったのです
そこで具体的な施工方法ですが注入する方を表側とするとその表側にフロッグを取り付けますが、更に裏
側にも同様にフロッグを取り付けるのです
当然ですが両方からは注入は出来ません、ひび割れの中の空気の逃げ場が無くなるので両方からの注入は
できません。
では裏側のフロッグは何のためと言えばフロッグのエアー抜きの箇所に穿孔しておいて空気抜きとするの
です。
注入する樹脂はその硬さによってひび割れの中に侵入しにくい、し易いが顕著にあります
水に近いほどの柔らかい樹脂ほどひび割れの中には入りやすく、硬い樹脂ほどひび割れの中に入りにくい
という常識があります
ひび割れの硬さに関係なく常に柔らかい超低粘度型の樹脂を注入すれば簡単に微細なひび割れの中にも
充填は出来るのですが、ひび割れの中は瓶のように底がある訳ではありませんから柔らかい樹脂ならば
折角注入しても時間とともに下の方の外に流れ出してしまいます
そこで今回はその底を裏側にフロッグを取り付けてシールをして造ったという事なのです
つまり表側から超低粘度型の柔らかい樹脂を圧力を掛けて目一杯注入しても反対側には漏れ出さないよう
にフロッグとシールがしてありますから決して流下はしません
垂直にひび割れている箇所は1箇所なのでこの部分だけひび割れの最下部には硬い低粘度型を事前に注入
して幅木から漏れないようにしています。
今回は梁にはひび割れは無いのでこれで充分だとしています
注入すると時間とともに裏側のフロッグに樹脂が流れ込んできます(写真3枚目は裏側の注入していないフ
ロッグです)
この樹脂が回り込んできたことを確認して表側の注入は完了としています
樹脂も圧力が掛かったままに硬化したという事なのです
完璧です
目には見えない超微細なひび割れの中にも樹脂は侵入してくれたと確信したのです
良い仕事をさせて貰ってありがたいと感謝です