低圧注入工法の問題点を工事現場から報告したいと思います 全国に数少ない低圧注入工事を生業とする専門店への啓蒙も微力ですが広く行いたいと考えています

フロッグの行く先

コンクリートのひび割れ補修の専門です

コンクリートがひび割れしたら補修はこんな風に

フロッグ(自動式低圧樹脂注入器具)を上市してから約14年経過しました

その直前に住宅の構造等の補償における品質確保法ができて屋根、壁面などからの漏水

そして構造における瑕疵についても法律で10年間の瑕疵担保補償と決められました

いままで放置されてきた鉄筋コンクリート造のひび割れについても指摘され始めてやっと民間でもひび割れ補修に低圧注入工法が使われ出してきました。

フロッグについても徐々にその市場を広げていたのですが、原因は解りませんがここ数年はその需要が少しずつ減少しています。

同業他社の売れ行きを聞いてもフロッグ同様にここ数年は前年を割り込んでいるとの話

政府が報告している景気の数値と実態の経済は多少違っているのではないかと思っていますが、さらには建物を造る側のクレーム対策もあるのではと・・・・

例えば住宅メーカーの基礎部分のコンクリートのひび割れの対策もひび割れを補修するのではなく隠してしまうというようなやり方に変わってきています。

仮にひび割れが発生しても施主には解らないように基礎のコンクリートの表側に今まではモルタルを補修として塗っていたのですが、今は柔らかい樹脂モルタルで弾性を持たせたものを塗っています。

この方法だと微細なひび割れについては反対側の床下から覗かない限り表側からはその発生を確認することはできません。

貫通したひび割れなら数年後には必ずその染みが薄く出てきますからわかるようになりますが、少なくとも引き渡した直後とか1年検査程度ではそのひび割れはわかりません

住宅メーカーのクレームに対しての対策なのだと思います

マンションの場合は造った建設会社が大手ならひび割れ補修の低圧注入工法を知っていますから全てではありませんが我々のような専門業者に補修を依頼する場合が多いようです。

鉄筋コンクリートに例えば0.3㎜幅のひび割れが発生した場合には表面のコンクリーㇳ

だけに隙間ができる訳ではありません。

鉄筋も同じようにひび割れているわけではありませんのでその0.3㎜の隙間分はコンクリートにくるまれている鉄筋との間にも僅かのずれが発生して隙間が発生しています

つまりひび割れたコンクリートの表面だけを塞いでも中の鉄筋とのズレについては隙間はそのままとなります。

フロッグのような低圧注入器具で接着剤を注入すると表の隙間はもとよりその鉄筋との隙間にも樹脂は充填されます

そこで標準的なフロッグのひび割れ補修を以下に報告します

 

1, 最初に発生したひび割れの幅と貫通しているか否かを確認します

    ひび割れの幅によっては注入する樹脂の硬さを選定します

2, フロッグを剥離性のシール材で取り付けます

 更に樹脂が漏れないようにひび割れた部分全てをシールします

3, 樹脂を注入します

 ほとんどの場合はエポキシ樹脂です

 注入は超低粘度型の樹脂から注入を始めます

 仕上げはひび割れの幅に合った硬さの樹脂で更に裏側に樹脂が来たかを確認します

4, シール材とフロッグを剥ぎ取ります

 剥離性のシール材ですから下地を傷つけないで簡単に撤去できます

  

これで完了です

一週間もすれば注入したエポキシ樹脂も固まって引張強度はコンクリートより断然強くなります。

同じ個所からのひび割れはありません

施工例

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計測

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セッティング

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注入

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撤去

100M程度なら3日間で完了です