低圧注入工法の問題点を工事現場から報告したいと思います 全国に数少ない低圧注入工事を生業とする専門店への啓蒙も微力ですが広く行いたいと考えています

フロッグの行く先

コンクリートのひび割れ補修の専門です

コンクリートのひび割れを気にする建物は長持ちする

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都内の各大手運送業者が集まるトラックターミナルの中の建物ですが、前回の震度5の地震のせいなのか新しくひび割れが発生しています

この直ぐ近くのモノレールは脱線したとかで都内では大きな話題になりました

この建物の中は特殊な大型バスの駐車場なのですがこの特殊車両は水を大変に嫌うそうでひび割れの間からの漏水は早めに防水する必要があるそうです

今回は一切の漏水を出さないために発生したひび割れを室内側からと屋外からの両方からフロッグで低圧注入をしています

注入後は高圧洗浄機で水漏れがないかを確認しています

屋内から注入した後に樹脂が外に漏れ出しているひび割れについてはひび割れの隙間が注入によってエポキシ樹脂が埋まっているので完了とします

外側のひび割れに樹脂が漏れ出していない箇所はひび割れが裏表に貫通していないのか

もしくはエレベーター室のように内側のひび割れからは注入施工できない箇所なので外側からもフロッグで注入しています

コンクリートに傷がつかないようにフロッグを取り付けたりひび割れをシールしているのは剥離性のシール材です

更にコンクリートに剥離シール材の油脂分が染みないようにシミナインというものを事前に塗布しています

学校の改修工事などはひび割れを補修した後には必ず仕上げの塗材を塗りますから下地の汚れは気にしませんが今回のように我々の施工後は大掛かりには塗材を塗りません

出来るだけ傷をつけないように汚れないようにしています

但し注入した樹脂がひび割れに沿って黒く染みてしまうのは防ぎようがありませんから塗材で補修してもらいます

下の写真がそのままの完成状態です

今回は建物が新しいために表面に何か塗料を塗るようです

 

ひび割れを放置すると次のような段階でひび割れた付近のコンクリートは中性化してコンクリートは脆くなってしまいます

1,ひび割れから白い色のいわゆるエフロが流れ出してきます(遊離石灰の流失)

2,数か月すると今度はひび割れから茶色い色のものが流れ出してきます(鉄筋のさび汁)

3,コンクリートが浮き上がって脆くなった部分は剥がれてしまいます(膨張した鉄筋で爆裂)

このそれぞれに到達する期間は建物付近の環境によって大きく違ってきます

海のそばのようなところは塩害もあって極端に早くなるようです

ひび割れの中に湿気とか空気(酸素)が通るとコンクリートはアルカリ成分から中性化となります

コンクリートはアルカリ成分だから鉄筋を包んでも錆びないのにひび割れからの酸素と湿気が入り込んで中性化してしまうと内部の鉄筋を酸化させてしまいます

コンクリート構造物に発生するひび割れを気にして直ちに正しい補修をするとその構造物は長持ちするし外観の価値も下がらないと思うのです

 

ひび割れを気にしてくださいまっせ