低圧注入工法の問題点を工事現場から報告したいと思います 全国に数少ない低圧注入工事を生業とする専門店への啓蒙も微力ですが広く行いたいと考えています

フロッグの行く先

コンクリートのひび割れ補修の専門です

ひび割れの中に注入する樹脂について

 今日はコンクリートのひび割れの中に注入する接着剤について報告しましょう。
今、国内でひび割れの中に注入、充填する接着剤は3種類のものがあります。
一番多く使用されているものはエポキシ樹脂です。この樹脂は使用量の約80%以上を占めています。
残りの2つはセメントスラリーとアクリル系の樹脂です。
それぞれには欠点と長所がありますが、使いやすさと強度そして価格などについては断然エポキシ樹脂が優れています。
エポキシ樹脂の欠点は熱に弱いと言う事です。その為に紫外線、熱が当る外部には使用できません。
ひび割れの中のように隠れた部分では全く問題はありません。20年以上は大丈夫です。(実績あり)
メントスラリーの欠点は超微粒子のセメントに水性の混和剤を混合しているのでひび割れの中に侵入したときに周りのコンクリートに水分を吸収されて液体ではなくなると言う事です。
つまり奥くにはいるまでに固体になってしまいます。
 次にそれぞれの強度ですが、エポキシ樹脂の場合はその引張り強度は70~90kg/cm2です。
メントスラリーは40kg/cm2でコンクリートの引張り強度と同じ程度です。
アクリル系の引張り強度は60㎏/cm2です
 その試験方法を簡単に説明するとエポキシ樹脂を硬化させ10日間ぐらい放置したものを両方から引張ってエポキシ樹脂が破壊した時点の力を引張り強度としています。
もう少し解りやすく説明するとエポキシ樹脂を1cm角の細長い例えば鉛筆のように四角い形を作りそれを両方から引張って切れたときの力です。(実際はもっと大きな形でその数値を1cm2に換算する)
 つまりエポキシ樹脂を1cm角の細長い棒状に造ってそれにぶら下がっても体重が70kg程度の人ぐらいでは切れないということです。
コンクリートの場合は同様な棒状にしてぶら下がると40㎏の人が限界でそれ以上だと切れてしまいます
同じようにアクリル系のものは60㎏/cm2が限界です。
アクリル系のものは混合時に強烈な臭いがするので室内など空気が流れにくい場所では使わない方が良いですね。
今時こんな強い異臭のものを平気で職人に使わせるようなメーカーはその程度の技術力として使わない方が良いですね。
マンションで工事に使っていて異臭騒ぎで消防車がきたという話があります。そんな騒ぎがあったのに今だに平気で製造販売しているというのも悲しいですね。
 以上の数値から何が解るのかというと、コンクリートのひび割れの中にエポキシ樹脂を注入してその後エポキシ樹脂が完全硬化した後に再び同じ場所に大きな力が加わりひび割れを発生させたとすると、その強度はコンクリートよりもエポキシ樹脂の方が強いわけですから注入した箇所ではなくその近くのコンクリートの面にひび割れが発生します。
注入した箇所からはひび割れは再発はしないと言う事です。
メントスラリーの場合はコンクリートと殆ど同じの強度ですから注入後も強度は変わらないと言う事です。再発の可能性はあります。
 今は、ひび割れ部を注入によって補強しようとすればその注入する樹脂はエポキシ樹脂がグッドということですね。
いずれはもっと優れたベターのものが出来るでしょう更に先にはベストのものが出現すると思います。
以上が大まかな注入剤の話しです。
 突然、話は変わりますが今度のジャンボ宝くじが当ってもこんな事をしているのだろうか。
これを見ているおいちゃんもお姉様も奥ちゃまも宝くじが当っても見てくれるのかなぁ。
まぁ、いいか、どうでも。