低圧注入工法の問題点を工事現場から報告したいと思います 全国に数少ない低圧注入工事を生業とする専門店への啓蒙も微力ですが広く行いたいと考えています

フロッグの行く先

コンクリートのひび割れ補修の専門です

戸建住宅の基礎のひび割れ注入工事

イメージ 1

 建築後10年目の住宅で基礎にひび割れがあり注入工事を行いました。
ウエブサイトを通じての依頼です。
事の発端は訪問販売の業者がひび割れがあるので修理した方が良いよとの話から注入の専門店の当店を探しての依頼です。
低圧注入工事店は都内でも専業は数社しか無いのに良くぞ探したと感心します。
基礎のひび割れは早く治した方が良いとは思いますが、よく観察をして欲しいのは表面だけのひび割れなのか床下までの貫通しているひび割れなのかです。
住宅の基礎は表面には10㎜厚程度のモルタルが塗っていますのでその部分だけのひび割れなら何の問題もありませんから注入をする必要はありません。

ひび割れが問題なのは単にひび割れによってコンクリートが離れていると言うことだけではありません。
コンクリートの中には鉄筋が入っていますが、これがひび割れからの湿気、空気の侵入によって錆びる事が問題なのです。
ひび割れた箇所から白いものが流れ出しているのはコンクリートの石灰質のものです。
ひび割れた箇所から赤茶のものが流れ出しているのは内部の鉄筋の錆びたものが流れ出しています。

もともとコンクリートはアルカリ成分ですから内部に鉄筋があっても空気が通らない限り決して錆びたりはしないのです。
誰が鉄筋コンクリートというものを考え出したかは知りませんがこの素材の組み合わせは素晴らしいと思います。
鉄は酸化することで錆びて耐久性が悪くなりますが廻りにその反対のアルカリ成分で包んでおけば半永久的に劣化はしないと言う事になります。

ひび割れが問題なのはひび割れの中から空気が侵入してくるとこのバランスが崩れてしまうと言うことなのです。
鉄筋はひび割れから侵入してきた湿気、酸素などにより錆びてしまいます。
錆びると言う事はその付近のアルカリ性のものが酸性によって中性化してしまうと言う事です。
中性化したコンクリートは脆くなり脆弱な部分となります。
ひび割れから錆汁が出てきているところはかってのコンクリートの強度はなく中性化して脆くなっているということです。

建物の全ての重量を支えている基礎が脆弱では地震などがあると心配になりますね。
かって阪神地震のときに倒壊している住宅は圧倒的に古い住宅が多かったと調査報告にありました
昔の建物は基礎部分が置石だったり小さなコンクリートだったりでしっかりしていないものが多かったと言う事があります。
基礎はしっかりしたものでなければいけませんね。

住宅の基礎のひび割れについては危険だ、危険だと煽るのも問題だしどうしたらいいのでしょうね。
危険かどうかは地震がきて見なければ解らない訳だし。
それぞれの住民の方が補修するしないは別としてひび割れの問題点を知っていればいいと思いますがその知らせる方法が今はありませんね。

神経質に考え悩むのが良いのか、関心が無く運命に任せるのが良いのかどちらがいいのでしょうね。