低圧注入工法の問題点を工事現場から報告したいと思います 全国に数少ない低圧注入工事を生業とする専門店への啓蒙も微力ですが広く行いたいと考えています

フロッグの行く先

コンクリートのひび割れ補修の専門です

トンネルのひび割れの場合

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経験からすれば、トンネル等の土木工事での低圧注入施工は色々な部分でかなり大雑把ではないかと感じ

ます。

例えば養生にしても建築の場合は殆ど改修工事が多いためか、他を汚さないように確実に行いますが、土

木の場合はその場所は元々雨ざらし排気ガスで汚れていますから養生も大雑把で許されます。


そのせいか、ひび割れの注入にしてもあちこちから注入した樹脂が漏れていても平気なようです


ひび割れ補修の結果の重大性はもちろん、断然に土木の構造物なのですが・・・。


そうなのです、事は重大事故に関る場合がより多いのです。


ですから、注入作業中に樹脂が殆ど漏れるなどはとんでもないことなのです。


最近非常に気になることがあります。


低圧注入工法は、微細なひび割れの中に樹脂を入れるために、小さな力で時間を掛けて樹脂を押し入れる

ことが基本的な事なのです。


フロッグなどは、そのために一度きりの使い捨ての構造になっています

殆どのメーカーの低圧注入器具は注入した翌日に取り外し廃棄処分とします

つまり少なくとも10時間以上は注入のし放しとするのです。


ところが最近になって、例の輪ゴムの力で樹脂をいれる注射器タイプの製品を使用している工事屋さんで

はいわゆる使い回しと言って、台座だけを先に取り付けておき、そして樹脂を入れた本体を台座に取りつ

けたら僅か1時間ほどですぐに取り外してしまうのです。

樹脂が残っているとか、いないとかに関係なく時間がきたらただちに取り外して次の台座に取り付けるの

です。


どうしてそんな風なやり方が流行りだしたのかといえば、メーカーにもその責任はあるのですがその目的

は器具の価格を下げるために何度も使い廻しをやっているのだそうです。

作業も簡単で施工費用も安くなるし・・。


注射器タイプはフロッグの倍以上の価格ですから・・。


では安いタイプの器具(フロッグ等)を使えば良いのにと思うのですが、フロッグを使うには技術が必要

とか注入するためにポンプが必要とか樹脂の注ぎ足しが必要など注入工事を生業にしていない兼業の彼ら

にしては面倒なのです。


このようなことが低圧注入工法が未だに信頼できない、実際は注入できない工法だと揶揄される所以なの

です。


面白いと言うか、とても変ですが、低圧注入工法を信頼していない方達は職人さん達が圧倒的に多いので

す。

建設会社の社員にも全く信用していない方達もいますが、信用している方達も結構います。


設計事務所、国の役所の担当者、公的道路の担当者などは樹脂が入っていないとは信じがたいと思ってい

るかのようです。

うすうす変だと思っていても自分達が昔から採用しているから今になって否定すると、過去に施工した箇

所が全てやり直しとなりかねないなんて・・・・。

検査の方法も馴れ合いで最初からコア抜きの場所を決めるのではなく、面倒でも注入しているときに一緒

に確認してほしいですね。

そうすればどうしても入らない箇所があったら一緒にその原因を調べお互いに納得できると思うのです。



職人さんが信頼しないのは自分自身で経験しているからよく解っているのだと思います

そもそも何においてもそうですが、施工方法については製品を造っているメーカーが、最初に使用する工

事店に対しては施工指導とか詳しい施工のマニュアル(取扱説明書のようなもの)等で教えるべきなので

す。

でも、注入器具のメーカーによっては、素人でも簡単に施工できると言う事が売りらしいのでいつの間に

かこんな風になってしまった様です。


重大事故防止に関る仕事なのにいつの間にか確実性のない仕事となって真面目に考えると情けなくなりま

す。

ひび割れの幅とエポキシ樹脂の硬さには適合性があります

最初の注入は必ず超低粘度型から行い、注ぎ足しは適合した硬さの樹脂で、そしてそのひび割れに必要な

樹脂量を充填するというのは基本です。


ひび割れの幅は決して一定ではないと言う事すらわからないのでしょうか・・・。


樹脂の注ぎ足し機能がない器具が広く使われていると言う事にそのいい加減さがわかります。



写真のトンネルの場合に完了後に14箇所をランダムにコア抜きをして注入の結果試験を行ったのですが

14個全て注入できていたと言う結果に驚いていました。


私にすれば何故驚くの・・・とこちらがびっくりします。



だからいつまでたっても同じ仕様なんだよね・・・。


いつか大きな事故にならなければ・・変わらないのかも・・・・・。