低圧注入工法の問題点を工事現場から報告したいと思います 全国に数少ない低圧注入工事を生業とする専門店への啓蒙も微力ですが広く行いたいと考えています

フロッグの行く先

コンクリートのひび割れ補修の専門です

大丈夫か低圧注入器具

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低圧注入器具は微細なひび割れの中に接着剤を隙間なく充填して隙間を密封してしまうという事と強力

な接着剤によりひび割れた部分を固定するという目的があります。


微細なひび割れの中に接着剤を充填するという方法については、かってはひび割れの上に小さな穴を穿孔

してかなりな高圧の力で硬い樹脂を押し入れるという方法が採用されていましたが殆どの場合は樹脂が入

らないという問題がありました。


所詮は微細なひび割れの中に接着剤を充填するという方法は無理なことで効果的な工法は無いのだろうと

いう事で、ひび割れの上を削り取ってシーリング材等で埋め戻すという方法が多く採用されていました


この低圧注入工法は既に40年も前に樹脂等のメーカーで三菱油化という会社の技術者がその原理を発見

したそうですが、ひび割れに対して柔らかい樹脂を小さな力でしかも低速というゆっくりととした力で樹

脂を押していけば微細なひび割れであっても樹脂を確実に注入できる事を発見されたそうです


私なりにその原理を考えるとそれは次のような時によく見られる現象と同じだと思っています


木造の住宅の場合に台風の時に限ってサッシの隅などから雨水が侵入してくる場合が良くあります

普段の雨の場合には漏れてこないのに強い風を伴った雨の場合のみ漏水するという現象です


この現象は窓の外と屋内との気圧差が発生すると雨水が気圧に押されて微細な隙間から雨水が侵入してく

るという現象だと思います。


つまり気圧の差が大きくなると雨水は気圧が低い場所へと押し込んでくるのです


風の強い雨天の日にタイルのひび割れ箇所を観察した時がありますが、上から流れてきた玉状の雨水が

ひび割れの中に入り込む様子を飽きもせず長い間見ていた時があります


この時の気圧の差が1~4㎏(0.1~0.3Mpa)という事も発見されたそうです


我がフロッグも注射器タイプのものも押圧のシステムは全く違いますが、その力は0.1~0.4Mpaを利用し

て樹脂を押し入れるという原理を使っています。


その押圧を作り出す方法は金属のバネであったりゴムであったり更にはコンプレッサーというのもありま

す。


フロッグの場合は器具の中に樹脂を入れるときに発生する圧搾空気を利用しています


一般的にバネとか輪ゴム等の場合は器具が重くなり樹脂の注ぎ足しは簡単には出来ないようになっていま

す。


フロッグの場合は樹脂を器具に入れると圧力が上がって行くシステムですから樹脂を多く入れると自動的

に圧力は上がって行きます。


樹脂が無くなるとその押し圧は下がりますから樹脂の注ぎ足しを行うとまた押し圧は上がっていきます


つまりひび割れの症状によってどんな硬さの樹脂でも、何度でも樹脂の注ぎ足しが簡単にできて押し圧の

力も自在にできるいう利点があります。


今日はこの低圧注入器具の台座部分について他社の製品との違いを報告をしたいと思います


低圧注入器具の取り付けは必ずひび割れの上に取り付けることが常識なのですが・・・・。


写真の上はフロッグですが台座はひび割れが良く見えるように透明になっており、下からも上からも注入

口の真ん中にひび割れがあるように見えやすいようにしています


次の写真は注射器タイプの台座ですが透明ではないのでひび割れの上に取り付けるには小さな注入口を覗

きながら取り付けなければいけません。


つまり常に目の位置を注入口の高さにしなくてはひび割れと注入口はずれてしまいます

足場の上で常に目の高さで取り付けることは大変です


その下の器具の台座には全く理解に苦しみますね


肝心の覗く穴に逆止弁の玉が入っているのです


ひび割れの上に取り付けるのにひび割れが見えないのです


この部分は特許を申請しているのだとか、だから先に市場に出ている注射器タイプとは猿まねではないと

か・・・・・。



このように低圧注入工法を全く理解していない会社がもっともらしく器具を製造販売しているのですから

恐ろしくなります。


土木、建築工事の中で結果が見えない施工は基礎の杭打ちとケミカルアンカーによるアンカーボルトの取

り付けとそしてひび割れ注入があります。


基礎の杭打ちも大きな社会問題ともなり、笹子トンネルのアンカーボルトによる天井版の崩落も大きな事

故となりました。


いずれも予想だにしなかった想定外の事だと言います


ひび割れごときで新幹線とか高速道路の橋梁等の崩壊はあり得ない・・などと本当に言えるのでしょうか


言えるのならわざわざ面倒な低圧工法を採用しないでひび割れの補修は何かを塗り潰すだけでいいので

は・・とも思います。


ひび割れによって鉄筋の錆、そしてコンクリートの中性化が進み想定外の事故が起こるかもしれません


ひび割れの幅には適合する樹脂の硬さがあるという事も知らないで、低粘度型の樹脂しか使えない器具を

造っている会社はその責任が取れるのでしょうか。


何も知らないで使用している職人さんだけに責任があるのでしょうか・・・・・・・。


今、現場は寒いですよね

樹脂は必ず冬用を使いましょう


驚くなかれ冬用さえ用意していないメーカーもあるそうですよ


何故、外気温度が低い時は冬用の配合品でなければいけないのかと言えば、寒さによって樹脂は硬くなる

のです。

一般用では超低粘度型の樹脂は低粘度型の樹脂と同じ程度の硬さになってしまいます

低粘度型の樹脂は中粘度型の樹脂のように粘って硬くなります


つまり一般用の超低粘度型を用意しても、今のように外気温度が極端に低い場合には次の硬さの低粘度型

の樹脂の硬さになってしまうのです。


0.3㎜幅のひび割れでさえも一般用の超低粘度では樹脂は直ちには侵入しないのです、場所によっては時

間が経過しても入らない場合があります。

そして外気温度が極端に低い時には一般用の樹脂ではなかなか樹脂が硬化しません


器具等を撤去できないという不都合も起こります


施工の結果が見えないからこそどんな場合も丁寧にそして基本通りに施工を行うべきなのです