低圧注入工法の問題点を工事現場から報告したいと思います 全国に数少ない低圧注入工事を生業とする専門店への啓蒙も微力ですが広く行いたいと考えています

フロッグの行く先

コンクリートのひび割れ補修の専門です

低圧注入器具の取り付け方

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写真はフロッグをひび割れの上に取り付ける時に、不良な取り付けと正しい取り付け方の違いを写してい

ます。

なんども説明していますが、器具の取り付け等が悪くて周りから樹脂漏れを起こしてしまうと、もうその

箇所の注入はその器具からはできません。


樹脂は圧力に押されてひび割れの中に進入していく訳ですが樹脂が漏れると言う事は、その部分に抵抗が

ないから漏れ出してしまうという事なのです。

後からいくら大量に樹脂を注入しても樹脂は抵抗がない箇所に集中して漏れ出してきます


ですから、低圧注入する時に一番気をつけるべきことは絶対に樹脂漏れを発生させ無いという事です


一番上の写真で右側と左側の2コの写真の違いが解りますか?


フロッグの台座の付け根の所はひび割れの上に乗っかっている注入口ですが、この部分は右側の写真のよ

うに空間があっては駄目なのです。

左側の取り付けが正しい取り付け方なのです


付け根のこの部分はひび割れ幅の隙間があれば充分なのです

例えば0.3㎜幅のひび割れであれば注入口は0.3㎜程度で充分なのです

広ければ広いほど圧力で破裂しやすくなります


一番下の写真の台座の付け根の所はかなりな空間があります

この取り付け方は駄目なのです。


何故駄目なのかは注入してみればすぐにわかります


付け根に空間があるとその部分に樹脂が上がってきてその空間に圧力が掛かってくるのです

フロッグのなかに樹脂を入れることによって圧搾空気を発生させて、そして樹脂をひび割れの中に押し入

れるのですが、途中に空間があるとその部分も圧力を掛けてしまうのです。


低圧注入工法は1~4㎏の力を樹脂に長時間をかけて押し入れる方法なのですが、台座に空間があるとその

部分にも同じように力が掛かります。

この空間が大きければ大きいほど台座を接着している部分が少なくなる事も伴って簡単に破裂してしまい

ます。



この注入口の大きさ加減の方法は、仮止めシールに台座を押しつける方向そして力で簡単に調整ができま

す。

要領さえ覚えれば簡単なことです。


台座を取り付けるときは透明の台座からひび割れを見ながら、ひび割れを塞がないように調整しながら

押し付けることが大切なのです。




この事を理解してもらえば次の事が気になりませんか・・・。


この台座が透明ではなく真ん中に筒状の穴が開いている器具、そして更にはひび割れが全く見えない台座

の器具、極めつけは注入口が横に長く空いている器具・・・・。


器具をひび割れの上に取り付けるのに台座が透明でなくてどうして正確にひび割れの真ん中に押し当てる

事ができるのでしょうか。


器具によっては真ん中に丸い注入口があるのですが、その穴は筒状になっているので目の位置をその穴に

近づけないと正確には取り付けられません。


つまり手を伸ばして下からとか上からとか取り付けるとひび割れは見えなくなってしまいます


このような器具を使っている人達はとても面倒なことをしていると気が付かないのでしょうか


ましてや低圧注入工法を生業としている人は殆どいない訳ですから兼業の人達が見よう見まねで施工して

果たしてうまく施工しているのでしょうか。



低圧注入工法はいい加減な工法とか、胡散臭いとか言われても仕方のない部分もあります


樹脂、器具を造っているメーカー自身が施工の方法を殆ど理解していないのですから、机の上で実験して

これで良いのだ・・・程度の技術なのですから。


台座の注入口が透明でなくても筒状になっていても机の上での実験であれば何の問題もないのでしょう

が、少し高いところに取り付ける事を考えてみれば、透明でない筒状の穴をひび割れの上に取り付けるの

にはどうするのでしょう。


脚立を持って来て穴を覗ける位置でなければ取り付けは出来ないはずです。


透明なら下からでも上からでも簡単に取り付けられると気づかないのでしょうか・・・。


国内に低圧注入器具は7~8社の製品がありますが、台座か透明なのは3社でそのうちの一社は吐出口が

横長で台座そのものが極端に小さいために、余程細心の注意を払ってひび割れの上に取り付けなければ

注入する圧力に台座の接着が負けてしまいます。


メーカーの技術者は実際に現場でお金を取れる施工をしたことはあるのでしょうか・・・ないのではない

かい・・。



色々と問題はあっても橋、トンネル、高速道路等のひび割れは殆どこのような方法で済ませてしまってい

るのだからあまり気にする事はないのか・・・。


笹子トンネルのような事故が起きなければそれはそれでいいのかな・・・・・


重大事故がおきてもこの素人集団は点検するのだとアンカーボルトの根元をテストハンマーで打診音

を聞いている姿を見て・・・悲しくなります。


アンカーボルトが外れたのは接着剤の劣化もしくは最初から接着剤が穿孔した穴に樹脂が殆ど廻っていな

かったと言う事が原因なのに・・・どうして打診音で判明できるのでしょうか。


アンカーボルトを実際に下方向に引っ張らなければその接着力はわかる筈はないだろうに・・・。