低圧注入工法の問題点を工事現場から報告したいと思います 全国に数少ない低圧注入工事を生業とする専門店への啓蒙も微力ですが広く行いたいと考えています

フロッグの行く先

コンクリートのひび割れ補修の専門です

低圧注入器具は強い押し圧が必要なのだ

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今回は低圧注入器具の押し圧の機能について報告します


国内で販売されている低圧注入器具の殆どがその押し圧の最高を0.2MPa(2㎏/)程度としていますが

果たしてその程度の押し圧でいいのでしょうか。


確かに微細なひび割れの中に接着剤を注入するには0.1~0.2MPa程度の力でなければ確実に樹脂をひび割

れの中に入れる事はできませんが、ひび割れの幅が微細ではなく例えば0.7㎜程度以上の場合には流下し

ないために硬めの樹脂を注入する必要があります。


この硬い樹脂の場合はいわゆる低圧注入の0.2MPa程度の弱い力では樹脂を奥の方まで押し入れる力はあり

ません。


また、土木の場合にはコンクリートの厚さが500㎜とか1000㎜の場合もあります

低粘度型の樹脂でもこのように奥が深い場合には強い力で樹脂の注ぎ足しが必要です


例えばゴムの復元力を利用しているような低圧注入器具の場合はどんなに圧力を上げようとしても0.3MPa

程度の力が限界です。

輪ゴムで押し圧を得る器具の場合は輪ゴムを6本束ねて取り付けることによって押し圧を0.3Mpaとするこ

とができますがこれ以上の押し圧はできないようです。


本当に輪ゴムを6本束ねてできるのかどうかは不明ですが・・・・


ゴム風船タイプのものは最大で0.2Mpaとなっています



我々の実験ではひび割れ幅が0.4㎜程度でコンクリートの厚さが700㎜の場合には超低粘度型の樹脂と低粘

度型の樹脂を注ぎ足した場合には少なくとも0.4MPa以上の押し圧が必要です。


つまり注入した樹脂がコンクリートのひび割れの入り口から貫通している反対側へ到達して流れ落ちるま

では0.4MPa以上の押し圧が必要なのです


写真のグラフはフロッグの押し圧を示したものです


フロッグの場合は器具の中に樹脂を入れその容積を狭める事によつて圧搾空気を得るシステムです

グラフは注入した樹脂の量によって変化する押し圧の力を示しています


下の写真はフロッグの空間となる場所に計器を取り付けてその変化を見ています


フロッグの場合は樹脂がMAXラインを超えるとその圧力は急激に上昇します


フロッグの中に樹脂を入れるポンプのその押し圧は最大で2Mpaですがフロッグの中の樹脂が満杯になって

押し圧が限界となったらそれ以後の圧力はポンプの押し圧による力となります。


あまりこのような強い力は殆ど使用しませんがフロッグの注入用のノズルはグリスポンプのノズルにも対

応できますからクリスポンプの押し圧も利用ができます。


クリスポンプの吐出の圧力は最大で10Mpaもありますからフロッグの取り付け台座の強度が保持できるの

ならこのような強い力も利用できます


ひび割れから強い圧力で流れ出る水がある場合にはフロッグの台座を切り取って吐出口を埋め込むように

して注入するような場合はこのような強い力を利用して樹脂を注入します。


それならば穿孔した穴に直接グリスポンプのノズルを埋め込んでダイレクトに注入すれば・・・となりま

すがそのメカニズムは解りませんが何故かダイレクトでは樹脂は入らないのです。

推察ですが、押し圧はある程度の時間をかけて樹脂を押しておかなければ樹脂は入らないのだと考えてい

ます。


その時間を器具の中の樹脂による押し圧がやっていてくれるのではないかと思います



下の施工例の写真は国道の橋桁のひび割れ補修ですがこのコンクリートの厚さは1M以上もあります


このような場合は0.4~2MPa(4~20㎏)は必要になります



フロッグは0~20㎏の圧搾空気を発生させる事ができるのですよ


色々な現場でこの圧力を使いこなして欲しいと思います