低圧注入工法の問題点を工事現場から報告したいと思います 全国に数少ない低圧注入工事を生業とする専門店への啓蒙も微力ですが広く行いたいと考えています

フロッグの行く先

コンクリートのひび割れ補修の専門です

道なき道を抜けてひび割れ注入だよ

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今週は山梨県静岡県の県境の道も無いような所にある堰堤のひび割れ補修です

今時、熊さんの出現があるかも・・・と不安に思いますが、地元の元請会社の人たちは話題もでないほど

平気のようです。


何年か前に群馬県の山奥のこのような堰堤のひび割れを二人きりで注入している時に小熊の鳴き声らしい

のがすぐ近くで聞こえた事がありました。


熊の鳴き声は知らないのだけれど、多分こんな山奥では熊しかいないのだと思い込むのです


エポキシ樹脂は目がつぶれるほど強烈な痛みなのだから目にかけてやるぞぉ・・覚悟してかかって来

い・・・と緊張して強がっていましたが。


堰堤のひび割れは特徴があり、ひび割れの位置は殆どの場合は両端の岩に近いところにあります。


常識的には中央のコンクリートが低くなっている箇所が弱そうで、しかも両側から引っ張られそうですが

この部分のひび割れはあまり見ません。


中央には水を逃がすための四角い開口を設ける場合がありますが、このような場合には開口部分からひ

び割れている事があります。


堰堤には内部に鉄筋はありませんから、極端に言えば貫通しているひび割れがあると、その強度はひび割

れた箇所だけの重量の強度となります。


このような堰堤の目的は土石流を防ぐためのものですが、上から雨水と一緒に流れ落ちてくる石、砂、岩

を止める力が必要なのです。


その止める力をコンクリートの重量で保持しているのです

ひび割れてはその力が低下すると思うのですが、しかし簡単には崩壊しないのです。


例えば上から地盤まで繋がってひび割れると言う事はほとんどありません。

途中で何度もコンクリートを打ち継いでいる為に、ひび割れは途中で止まってしまうのです


今回も上から下に3m程でひび割れは止まっています


堰堤などのひび割れに対して低圧注入で注入する場合にもっとも注意すべきは、セッティングの時にひび

割れた箇所の端末に空気の逃げ場所を確保してやることが大切です。


つまりフロッグで樹脂を注入するとひび割れの中の空気は当然ですが押されて逃げ道を探します

仮止めシールで隙間を全て塞いでしまうと樹脂は簡単には入りません


反対側のフロッグのノズルを外しておくかひび割れの端末を開けておくことが大切なのです。


簡単な構造のひび割れの場合は空気の逃げ道が無いのです



初日は始めての場所なので道の状態を知らなくて乗用車タイプで行ったのですが道とはいえないような登

坂路だったのでエンジンとか足回りのセンサーが動いて動かなくなったり・・・もう大変です

四駆のダンプに先導してもらったのですが・・・いざとなれば牽引するから・・なんて言うけど

下り坂のぬかるみの時は追突しますよ・・・。


2日目は四駆のジープタイプを用意してもらって工具とも乗せてもらって・・・安心して仕事ができまし

た・・・・谷に車ごと落ちてそして堰堤で止まったなんて・・そんなオチになるべぇょ・・・。



いずれにしても熊に食べられなくて、そして谷に落下しなくて良かったのです・・・。