先日の春の嵐で地下鉄の通路の天井から漏水しています
取り敢えずはマスカで落ちてくる水を集めて壁面から床に流していたようです
天井は吹き付けタイルで仕上げられていますが、近くで見るとその仕上げ材に微細なひび割れが発生して
います。
この地下鉄の駅は最近開通した副都心線とか大江戸線のように最新式な構造ではないために、改修に改修
を重ねたのでしょうか天井には配線、配管等で補修作業には色々と工夫が必要です。
今回は駅の大規模改修の期間中なので止水工事の期間は充分に取れるそうです
ならば、今回は止水とコンクリートの強度を元通りにするために応急処理ではなく徹底した施工方法をと
申し入れししました。
ひび割れた箇所の仕上げ材を撤去するとひび割れ幅は最大で0.6㎜もあります
小さいひび割れ幅でも0.3㎜はあります
この程度のひび割れ幅なら水中硬化型の低粘度エポキシ樹脂でも充分に注入できます
それに注入した後の処理も天井面に養生が出来るので硬化の遅いエポキシ樹脂でも充分に注入できます
通常は通路ですから注入した樹脂が漏れて下を歩いているお客さんに樹脂が降りかかる様な危険な事は
絶対に禁止ですが、今回は天井の養生も付けたままで良いので樹脂の硬化時間も気にするような事もあり
ません。
そうです・・・不自由なく手早く仕事が出来るのです
ところが・・なのです・・・。
仕上げ材を剥がして暫くすると、今まで乾いていたひび割れから水が漏れ出してきたのです
この天井の上は外部の道路になっているので土の中に雨水がまだ残っているのだと思います
これでは仮止めシール材で低圧器具のフロッグは取り付けられません
穿孔して急結セメントで仮止めの方法も考えられるのですが、配線、配管があるために思うように台座
取り付けの為の穴の間隔がベストには取れません。
完璧な仕事をと思ったのに・・・・。
『監督さん、相談ですが・・このひび割れが乾燥するまで施工を待つという時間はありませんか』
『何日ぐらい?』
『日にちではなく、乾燥するまでです』
『濡れたままでは駄目なの?』
『1日の作業時間が正味は3時間しか無いと言う事と、時間が有れば完璧な仕事にしたいのです』
『あんたは凝り性だからねぇ』
『折角お金を出すのだから完璧にしましょうよ』
『・・・・・了解・・』
と言う事で本日の作業は仕上げ材の撤去だけで終わりです