低圧注入工法の問題点を工事現場から報告したいと思います 全国に数少ない低圧注入工事を生業とする専門店への啓蒙も微力ですが広く行いたいと考えています

フロッグの行く先

コンクリートのひび割れ補修の専門です

ひび割れからの漏水は注入が最適

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タイルのひび割れから室内へ漏水する処理については色々な方法が施工されていますが、私はひび割れの

中にエポキシ樹脂を低圧にて注入する方法がベストだと考えています。

ひび割れた箇所のタイルを剥ぎ取って、ひび割れに沿って幅10㎜深さ15㎜程度の溝を造りシーリング材を

充填するUカット工法が一般的ですが、この他にもひび割れたタイルの上に直接撥水剤を塗布するような

方法もあります。


低圧注入工法はひび割れの中に樹脂を押し入れる方法ですが、この工法の長所は漏水した雨水と同じ経路

を通って隙間を埋めて行きますから、注入器具から樹脂が減っていく様子を確認すれば漏水は確実に止め

る事ができます。

更にはひび割れた箇所の強度も元通りにする事ができます。

欠点は施工に技術が必要であることと施工に2日以上も掛かりますから費用が高くなります。


Uカット工法はタイルを剥がしてしか出来ませんが、ひび割れが単純な場合と漏水している原因がカット

する部分だけの場合にはその効果はあります。

コンクリートをサンダーの丸い刃で幅広く削る訳ですからサッシの近くとか床の近くは傷を付けてしまう

のでその部分のひび割れについてはUカットの処理ができません。

処理が出来ないので施工後に再発のクレームが良くあります。

特にサッシの面台の下のひび割れから雨水が浸入しているような場合は肝心の箇所がカットできないため

に折角工事をしても殆ど効果が無いという事になります。


長所は作業が簡単なので手軽に価格も安くできます。

他部材との取り合いが無い箇所で更にひび割れが一本で枝分かれしていないような場所なら確実に防水が

出来ると思います。

この工法はひび割れた躯体の強度については元通りには補強はできません、むしろひび割れを大きくする

わけですから建物には決して良くはありません。


撥水剤等をタイルのひび割れの上から直接塗布する方法は簡単でいかにも素人受けしますが、経日変化が

発生する場合があり施工決定には勇気が必要だと思います。

施工して数年で全体が黒く変色してきたなどの苦情を聞く場合があります

一旦変色してしまうとその処理には大変な手間がかかります。

そもそも外壁のコンクリートにタイルを貼り付けている場合はタイルが防水をしているわけではありませ

ん。

雨水はタイルの目地などからタイルの裏側に入り込みタイルと躯体の間には常に雨水は流れていると考え

るべきなのです。

躯体にひび割れがあったりコンクリートの打継ぎ目地のシーリング材が劣化したそのような箇所から漏水

をする訳でタイルの全面から漏水をする訳ではありません。

例えばタイルがひび割れをしていてもそのひび割れがタイルだけでコンクリートの躯体はひび割れていな

ければ漏水はしません。

タイルがひび割れているからといって外壁の面に撥水剤を塗布するという事には私は反対ですね

外壁のタイルに何かを塗布するという事について疑問を持つのは、タイルは無機質でそれこそ100年も劣

化しない程の素材なのですが何かを塗布するという事になれば当然ですが無色透明な有機質なものしかあ

りません。

製造している会社が実験により10年間以上は変化がありません、信用して下さい・・などと言っても

その実験は室内でウエザオメーターで計測している程度か、空気の良い箇所で短期間の暴露試験程度だと 
思います。


例えば外気温度の変化とか排気ガスとか焼却場の汚れた排気とか更には酸性雨等の多様な厳しい実験はあ

りません


タイルの上に直接塗装する事についてはとても怖くて使用する気にはなれません。