低圧注入工法の問題点を工事現場から報告したいと思います 全国に数少ない低圧注入工事を生業とする専門店への啓蒙も微力ですが広く行いたいと考えています

フロッグの行く先

コンクリートのひび割れ補修の専門です

住宅の基礎のひび割れの場合

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今回はこのブログを訪問された方の家の基礎のひび割れ補修です


建築途中の引き渡し前の住宅なのですが駐車場とベタ基礎の立ち上がり部分にひび割れが発生しています

我々が訪問する前に設計事務所工務店さんとは色々と話し合いが持たれたようで既にコンクリート診断

士などの報告書も提出されています。


本来ならばこの時点で工務店の判断でお施主さんの希望通りに発生したひび割れを納得のいくように補修

してしまえば問題は無かったのでしょうが、建てる側の説明がお施主さんにはとても納得のいくものでは

なかったという事から我々のようなひび割れ補修の専門店に依頼があったという事です。


今の時代は例え建築の専門家が言った事でも素人の方の方でもその話したことが正しいのかどうかという

事は広くネットで確認をすることができます。


例えば今回、コンクリート専門の調査会社が提出した報告書の中に乾燥収縮であるからひび割れは貫通し

ていないと推察できるなどとあり、ひび割れが建物に影響する事はないとあります。


つまりひび割れの発生は乾燥収縮なら問題はないが他の要因のひび割れは問題であるかのような表現と

なっています。


調査の結果でも貫通したひび割れは無かったとの報告です


この報告書を見てからお施主さんは半信半疑で納得はできないとして色々とネットで調べたとの事でした


一般的にコンクリートのひび割れた発生の理由を乾燥収縮にしてしまうと建てた側にしてみれば責任は少

なくて済むという考えがあります。

基礎のコンクリートは水と混和剤そしてセメント、砂と砕石と鉄筋の複合体ですから、乾燥時に発生する

収縮は宿命的なものですから防ぎようがないとの説明ができます。


確かにその通りなのですが、我々のようにこのひび割れ補修を生業としている者の経験からすればそのよ

うな説明では一生に一度ぐらいしかできない高い買い物なのですから殆どの場合には簡単に納得は得られ

ないようです。


確かに微細なひび割れの場合には建物に直ちに影響するなんて事は無いのでしょうが、お客の立場から

見てみると肝心の箇所に傷があるとなると、これからずーとこのひび割れを気にしながら生活するという

事はお金に代えがたい不安とストレスになる方が多いと思います


収縮は宿命的だと言っても隣の家の基礎にはひび割れはないよ・・どう説明してくれるのですか・・・


なんて事になります


私はひび割れた原因等には殆ど関心はありません

乾燥収縮であっても他の原因でもひび割れが表から裏に貫通しているか否かが大きな問題なのです


今回も実際に表から注入すると数か所は裏の床下側に樹脂が漏れてきました

ひび割れが貫通していれば湿気はその隙間から鉄筋に届いてしまいます


湿気と酸素は鉄筋を腐食させてしまいコンクリートの中性化が早く進んでしまいます


中性化を防ぎコンクリートが脆くならないように確実な補修が必要なのです


コンクリートのひび割れ発生はその原因は100件以上の要因があります

施工時の環境、施工技術、コンクリート工場の問題、地盤、構造などなど大きく分けてもこのように広い

範囲でその原因はあります


施工時の環境では雨天が続いて乾燥が長引く場合とか、高温によって乾燥に影響したとか、細かく見ると

もっともつと考えられることがあります。

ひび割れの発生については原因を見つけることは殆ど不可能ではないかと私は考えています


このようなことから原因を色々と探すよりも発生したひび割れをいかにして元通りの強度に戻すかが大切

だと思うのです。


鉄筋が入っているコンクリートにひび割れが発生しているという事はひび割れた付近の鉄筋とコンクリー

トは微細に肌別れしているという事も知っておくべきです。


例えば表面に0.3㎜のひび割れがあって床下側まで貫通していたとすればそれはコンクリートだけが割れ

ているのであって鉄筋は同じように割れているわけではありません

鉄筋はそのままなのですから当然の事ですがひび割れた付近は鉄筋とコンクリートが微細ですが肌別れし

ているのです。


このようなことを考えるとひび割れた表面だけに何かを塗布するとかは殆ど正しい補修とは言えません


コンクリートよりも強度がある樹脂を使ってコンクリートのひび割れた隙間とそして鉄筋とコンクリート

が肌別れした隙間にも樹脂を充填することが正しい補修の方法だと思います


間違ってもひび割れの上に溝を切っていわゆるUカツト工法でシーリング材などで補修はしないで頂きた

い。

躯体に傷を付けたら二度と元通りにはならないしコンクリートの強度も失われます


今回はこの住宅のお施主さんの奥さんが我々専門店でもびっくりするほどこのひび割れについて勉強され

ていて自分の家は自分で守るなんて・・・・すごいです


我々からすればこのような方がひび割れなどについて沢山勉強し知識を増やしてそして低圧注入工法とい

うような確実に補修をする方法があるよ等といろんな多くの人に教えて欲しいと思います

そうすると低圧注入工法を生業とするひび割れ補修の専門家が増えてくると思います

専門家が増えると街で見かける壁面にミミズが這ったような黒いシミができているような補修跡の建物は

は無くなるのではないかと思います

ひび割れ補修において、今の技術ではベストである低圧注入工法がもっと盛んに使われると思うのです



写真は1枚目は完了の状態 染み等は残っている

写真2.3枚目は床下から注入している状況

写真4枚目は表側から注入したら床下側に樹脂が溢れている様子


微細な0.1㎜幅以下のひび割れは貫通しているのか未貫通なのかは注入しないと確認はできない事を

知っていて下さい