昨日の地震で被害に遭われた方に謹んでお見舞い申し上げます
さて、コンクリート構造物に発生するひび割れについては色々な多くの要因で発生しますが長年に亘ってひび割れを見ているとひび割れにも色々と特徴がある事が解ってきます
ひび割れの発生は内的要因と外的要因に私は区分しています
内的要因は生コンの製造過程に関わった原因とコンクリートを型枠の中に流し込む時、そして養生の方法等の施工上の問題点としています
外的要因はコンクリートの乾燥時の収縮とか地盤、建物の動きそして地震の動きとしています
そのほかにもコンクリートに発生するひび割れの原因については細かく言えば100件を超す要因があると一般的にも言われています
但し我々が現場の調査で例えば乾燥収縮ではなかろうかと言ったとしてもそれはあくまでも今までの経験から又は見聞きしたことから判断しているわけですからそれが科学的になにか証明するものがあるかと言えば決してそんなものはありません
乾燥収縮によってひび割れたとしても、ではなぜ反対側はひび割れないのだと言われれば殆どの場合には詳しくは説明できません
医療の場合も診断の予想は臨床によってとなりますが比較するのには憚られますがひび割れも似たような所があります
上二枚の写真は東北の地震の時の写真ですが、地震の揺れによって発生したひび割れです
地震の揺れの長さもありますが地震によるひび割れは一番上の写真のようにひび割れが素直ではなくひび割れた個所の淵が擦れて欠けています
ひび割れた個所を拡大するとひび割れた淵が大きくかけたり細かくこすれた跡が解ります
地震以外のひび割れにはひび割れた後から擦りつけるような事はありませんのでこのようなひび割れは特徴的だと思います
三枚目の写真は建物の動きによってひび割れたものです
学校の廊下の手すり部分なのですが長い廊下なので動きの為の伸縮目地があればひび割れなかったのではないかとも予想できます
四枚目は床ですが打設後にすぐに発生したひび割れです
乾燥収縮だと判定しています
ひび割れには色々な種類があるとしても補修する方法の低圧注入フロッグ工法は全て
同じ方法で行います
補修の低圧注入工法はひび割れの中にエポキシ樹脂を確実に充填してしまえば再びそのひび割れが開くことはありません
一般的な昔の古い単位の数字で言えば注入するエポキシ樹脂は約70~80kg/cm2の引張強度がありコンクリートは約40~50kg/cm2の引張強度です
つまりエポキシ樹脂を1センチ角の棒に硬化させて両方から引っ張って破断する時の力です
コンクリートも同じ形の場合にはこの数字という事です
今日はこれまで
質問があればhttp://www.nacatacobo.com または「なかた工房」まで・・・・・