久しぶりに住宅の基礎のひび割れ注入工事です
住宅の基礎のひび割れを長年補修しているとひび割れが多い基礎とひび割れが殆ど無い基礎があります
この違いは何なのだろうといつも現場の床下で考えます
マンションとか大型のビルなどの建物の場合は建築後1年ほどであればそのひび割れの発生場所は例えばサッシ角の所とか付け送ったモルタルと躯体との継ぎ目とか屋上の笠木周りとか等殆ど推定通りに限られた個所に発生しています
住宅の場合は誘発目地がないコンクリートなので各面に1個所ぐらいは乾燥収縮によるひび割れが想像できるのですが極端にひび割れが多い場合には何故なのだと考え込みます
基礎の型枠にコンクリートを打設してからの養生期間に相違があるのか、炎天下ならシートを掛けて養生し曇りならシートを外すとかの繊細な配慮でひび割れの発生数が違うのか、今のところはそのようなデーターを造る人がいないのでその違いは解りません
ひび割れ発生の原因はこのような内的な要因と天候、地盤などの外的な要因がありますがその他には基礎の形の設計にもその要因があるのではないかとも思っています
例えば在来工法とか2×4工法とかの基礎は部屋ごとの間仕切りの下には昔は独立基礎でしたが今は基礎を繋げて造ってあります
つまり家の荷重は基礎に平均的に架かるように造ってあります
しかし、例えばPC版などの重量鉄骨構造とか木造でも間仕切りごとに基礎を作らないで鉄骨を梁として基礎に乗せてその上に家の荷重を分散させるという設計の住宅もあります
この様な場合は梁が架かったところには集中的に基礎に荷重が加わります
この様な構造の建物のひび割れ発生の特徴などは今は解りませんが誰か根気よく調べてくれないかと思います
独立行政法人のコンクリート研究所なんかが日本の住宅の基礎のひび割れの発生率を構造別に調査してくれるとはっきりするのですが・・・
彼らは毎日どんな仕事をしているのだろうと他人事ながら余計な心配をさせて貰っています
住宅の基礎にひび割れが発生したとしても直ちにはさして建物には影響はないしそんなに騒ぐほどでもないのかとも思いますが、新築の住宅でひび割れから白いエフロが流れ出しているのを見るとそれはやっぱり修理したいと思いますが