今日は住宅の擁壁に発生した大きなひび割れの注入工事です
擁壁のひび割れ補修の場合に最も注意すべきことは、ひび割れの中が完全に乾燥しているか否かを見る
事です。
地中は雨水が多く浸みている場合があるのでひび割れの中も濡れているのではないかを確認する事
が大切です。
もしも内部が濡れている場合にどうしても注入工事を実行しなければならない時は注入するエポキシ樹脂
は水中硬化型の低粘度型を使用します
通常のエポキシ樹脂では内部が湿っていると樹脂は未硬化となり接着はしません
一般的にはエポキシ樹脂は湿潤面でも接着はするなどと言いますが、特別な配合の樹脂以外の汎用的な
エポキシ樹脂は明らかに湿っているものでは接着は不完全となります。
今回は晴天が続いたのを待って施工しています
ひび割れ幅が10㎜もありますから注入する適合粘度は一番硬い高粘度型の樹脂となります
一度目の注入は低粘度型の樹脂をフロッグに2回注入します
このひび割れの場合は幅が大きいのでいつも先導注入している超低粘度型の樹脂は必要ありません
2度目の注ぎ足しは適合粘度の高粘度型の樹脂を注入します
この場合にもしもポンプで吸い上げるときに吸いにくい時は高粘度型の樹脂に3%ほどの低粘度型の樹脂を
混ぜると使いやすくなります
3%程度混合しても10㎜幅のひび割れであっても決して樹脂は流下することはありません
今回は施工する数量が少ないために仮止め材はエポキシ樹脂の速乾型を使用します
ひび割れ幅が大きい場合は注入してもそのひび割れはそのまま残りますので、今回は面倒でも速乾性の
シール材でひび割れの表面を埋めながらシールしています
そしてシール材等を撤去する時はバーナーでシール材を温めながら良く切れるスクレーパーで削り取り
ます。
こんな風な撤去の仕方なら表面には速乾性のエポキシ樹脂が埋まったままになりますからひび割れは殆ど
目立たなくなります。
一度試してみて下さい。