低圧注入工法の問題点を工事現場から報告したいと思います 全国に数少ない低圧注入工事を生業とする専門店への啓蒙も微力ですが広く行いたいと考えています

フロッグの行く先

コンクリートのひび割れ補修の専門です

タイルの浮き補修は張替えがベスト

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先週は都内を離れた公的な病院の外壁調査でした

タイルが浮いて落下の予想がされる場合は、私は浮いている箇所を全て剥がし新しくタイルを貼りかえる

事を勧めます。


しかし現実は殆どの建物はエポキシ樹脂をグリスポンプの高圧(100kg)で隙間部分に注入します

そして注入をした後で注入口に全ネジのステンレスピンを挿入して浮き補修完了となります


微細な隙間に樹脂を注入する場合には決まりがあります


低圧注入工法が何故行われるかという事と、この高圧注入工法とは大きな関係と矛盾があります


そもそもひび割れ幅(隙間)幅が微小(0.05~0.7㎜程度)なものについては小さな力で時間を掛けて柔らか

い樹脂を注入するという事が大原則で、この方法以外では注入ができないのです。


ではタイル等が浮いている場合はこの隙間は005㎜~0.7㎜以上なのでしょうか


タイルが浮いているその隙間は果たして何ミリの隙間なのでしょうか。


今までの経験から言えばそれはひび割れと同様で0,1㎜~最大5㎜幅程度だと思います

タイルの浮きが0,3㎜幅だったらどうなるのでしょうか・・・・。


そうなのです・・・・何故か浮き注入の場合はその隙間幅は全く気にはしていないのです


微細な隙間に満遍なく樹脂を注入するには低圧注入工法しかその方法は無いのですが

浮き注入は何の疑いもなく、昔からですが、浮いている箇所に5㎜の穴を開けてその穴の中にグリスポン

プのノズルを突っ込んで強引に硬い樹脂を押し入れるのです。


タイルと躯体の隙間に強い力で硬い樹脂を押し入れるとその隙間はその力で押し拡がります

つまり押し広げて周りの正常なタイルも一緒に押し広げて・・いわゆる共浮きをさせて樹脂を注入するの

です。

隙間を押し広げる事によって隙間の幅を大きくして高圧でも樹脂が進入できるようにするのです。


良くありますが、浮いているタイルの周りのタイルの接着力が強い場合は共浮きをしないので樹脂は入ら

ないのです。

そのような箇所は注入ができないのです。

入らないものはしょうがないよな・・・で次に行きます。



『低圧注入で浮きを補修するなんて・・・そんな面倒な仕事はゴメンだい・・・・』


目的はタイルを躯体に接着させる事が目的ですから、例え周りのタイルが共浮きをしても接着さえしっか

りしていればそれはそれでいいのだとも思いますが。



写真は浮いているタイルの調査ですが、タイルの曲がりと躯体の隙間のシーリング材が剝がれてその間か

ら雨水が浸入しています。


当然ですがこの部分のタイルは全て浮いています


注入するのならせめて注入口付きアンカーピンで一度躯体に固定をしてから、再注入をして欲しいと思い

ます。


仕事は将来の重大事故防止のためにあるのですから


我々が調査してそして図面に書き込んでそして見解書をつけて提出しても、入札で業者が決まれば仕事の

やり方はその業者に委ねられますから・・・思いは届かないかも知れませんね