低圧注入工法の問題点を工事現場から報告したいと思います 全国に数少ない低圧注入工事を生業とする専門店への啓蒙も微力ですが広く行いたいと考えています

フロッグの行く先

コンクリートのひび割れ補修の専門です

こんなに雨が降ると微細なひび割れからも雨水が入ってくるよ

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 今年は空梅雨なのかと思ったら毎日毎日しとしとぴつちゃんの雨。
映画の「シェルブールの雨傘」を見た時には暫くは雨が好きだったのだけれど、今は生活が関係するから厭です。

明日は台風も来るらしくて日曜日の野球も中止です。

台風が来て建物のひび割れ部分に雨風が吹き付けると普段の雨では侵入しなかった微細なひび割れの中にも雨水はどんどん侵入してきます。

建物の外部に雨水を強く吹き付けると内部の部屋の中とは気圧の差が出来てしまいます。

外部の気圧が上がり内部がそれよりも低いとその気圧差で雨水は低い圧の部屋の中に押し出されていきます。

床面の微細なひび割れの上に水を流しただけでは水は表面張力が働いてひび割れの中には入っていきませんが、お風呂の浴槽の床面にひび割れがあったような場合には大量の水の重量が圧力を発生させますから微細なひび割れでも水は浸入していきます。

台風の場合はこのような状況に似ています。
我々に台風の後によく連絡があるのはこんな原理だからでしょうね。

面白い事にこの微細なひび割れの中に粘度のある樹脂を入れる場合には雨水とは少し条件が変わってきます。

粘度のある樹脂の場合はひび割れの中に入れるために圧力を掛けても一定以上の力では絶対に侵入してくれないのです。

通勤電車に例をとれば電車の入り口にいきなり沢山の人が殺到して押し合いしながら入ろうとしてもなかなか入りにくくなります。
一列に並んで急いで入れば簡単に入ります。
粘度のある樹脂の場合はこれに似ています。

ひび割れ注入工事は低圧樹脂注入工法といいますがこの低圧がその事なのです。
具体的に言えば微細なひび割れの中に粘度のある樹脂を入れるには1kg~4kgまでの圧力でなければ入らないと言う事です。
強い圧力では反発力が発生して入りません。

一昔前によく見かけていましたが、ひび割れの上にドリルで穴を開けてグリスポンプ(自動車などで使うもの)で注入している人などはこの原理をまつたく理解していない人でしょうね。

グリスポンプの圧力は100kg程度の高圧ですからひび割れの中に樹脂はまず入りませんね。
さすがに最近はこんな事をしている人は居なくなりましたが。

昨日ある会社でこの低圧工法について説明会をしました。
こちらの話を聞いてくれるだけで嬉しいのですが相手がこの工法に興味を持ってくれると仕事か楽しくなってきます。

がんばりまっしょ。
いつか大きな花が咲くよ・・・ねっ。