今回に土石流が発生した熱海の山間の谷には写真のような土石流防止の堰堤は無かったのでしょうか
あったとしてもそれを遥かに超える土石流の量だったのでしょうか
自然環境は今までと大きく違っています
今回の土石流発生の検証は詳しくやって欲しいですね
写真は土石流の発生の可能性があるところに設置される土石流防止の堰堤です
私共はコンクリートのひび割れ補修の専門業者ですがこのような県境の道もないようなところに所に造られている堰堤のひび割れの補修も行なっています
最近はこのような土石流防止の堰堤は国からの発注が少なくなったと聞いています
たしか民主党政権の時にダムをはじめこのようなものまで予算が少なくなり発注が少なくなったと聞いています
この堰堤は山の上から土砂が山間の谷を伝わって市街地に流れ込むのを防ぐ役目をしています
山間の谷にコンクリートで写真のような仕切りを造り土石流の流れを止めるものなのです
このような堰堤にはコンクリートの中に原則的には鉄筋は入っていません
長年の間にコンクリートのひび割れから湿気等が内部に侵入し鉄筋を腐食させてコンクリートを中性化して強度が落ちるのを防ぐために鉄筋は入っていません
コンクリートを一体で造りその重さで谷に固定して土石流を止めると言うものなのです
ですからこれだけの大きさのコンクリート構造物でも誘発の目地などはありません
このコンクリートにひび割れがが入り貫通してしまうとその重量が変わってしまいます
例えばこのような堰堤が真ん中でひび割れを起こして貫通してしまうとその重量で土石流を止める力は半分になってしまいます
羊羹に例えれば一つのものを半分に切ったものと同じ形になります
補修はコンクリートの倍ほどの強度のエポキシ樹脂を微細なひび割れの中に注入してひび割れを固定して元の強度に戻します
堰堤の注入は手間がかかりますがその強度は我々補修する人間の技術にかかっていますから基本通りに一番柔らかい超低粘度型の樹脂から時間をかけて注入をしていきます
日本にはこの低圧注入を生業にする業者は数えるほどの人しかいませんが例え生業としていなくとも目的はひび割れの中に確実に樹脂を充填するのですから少なくとも反対側から樹脂が漏れてくるまで注入をして欲しいと思います
結果が見えない仕事だからと言って適当では今回のように大惨事になる可能性もあります
被害が少ないという事と早く普及する事を祈っています