低圧注入工法の問題点を工事現場から報告したいと思います 全国に数少ない低圧注入工事を生業とする専門店への啓蒙も微力ですが広く行いたいと考えています

フロッグの行く先

コンクリートのひび割れ補修の専門です

床のひび割れに高性能を発揮します

イメージ 1

イメージ 2

イメージ 3

不思議な事に床用のフロッグを発売した途端に、私の方にも床面のひび割れ注入の工事が続けて2件も舞い込んできました。

写真は建築後10年目の建物です。
造りのデザインが殆ど同じ形ですから建売の住宅だったのでしょうか。

2軒とも玄関と駐車場が兼用になっています。

近くに大型のマンションが造られた際に振動なのかどうかの原因は不明ですが床にひび割れが発生したそうです。

コンクリートの厚さは約100㎜程度だとか。
排水の勾配を取る為に中央付近から道路に向かって勾配が造られています。
この部分が端から端までひび割れています。
コンクリートを打ち継いだのかな。

注入する前日に夕立の激しい雨で、注入する日にはひび割れの中は水が浸入して湿っている状態です。

こんな場合はひび割れの中が乾燥するまで4日間ほど待って注入するのが一番良いのですが施主の予定ではなかなかそんなには待てないそうなので、水中硬化型の低粘度樹脂を使用することにしました。

価格は高くなりますがひび割れが0.4㎜以上なら充分に対応できます。

水中硬化型のエポキシ樹脂は私が知っている限りでは通常のエポキシ樹脂の低粘度タイプの硬さしかないと思います。
超低粘度タイプは無いようです。

今回は2日間で仕上げて欲しいという事なので仮止めシールとフロッグの取り付けは速乾型のエポキシで行ないます。

ク?クメンなんとかダーという商品は仮止めシールには使えません。
この商品しかないと思っている職人さんが多いのですがこの商品は硬化時にダレてしまうし、硬化した後に硬すぎます。

この商品は何の為に造ったのか目的がはっきりしません。
どうしてこんな中途半端な商品が売れるのかわかりませんね、

主剤と硬化剤を混ぜると僅か3分ほどで硬化が始まるし、器具を取り付けると硬化する時の自己発熱でダレてしまうし・・・。

使わないでももっと良い商品が沢山ありますヨ。

注入状況は良好です。

ひび割れ幅が1㎜ほどもあるのか水中硬化型でも抵抗無くどんどん入って行きます。
フロッグの床用はMAXラインまで入れると18CCですが圧力が掛かるとこのMAXラインまで来る前に樹脂は減っていきます。

このような状態の時にひび割れの中を推察するとひび割れはかなり広いのではないかという事が解ります

注入作業を3回繰り返した後に今度は通常のタイプの中粘度(マヨネーズ状)を仕上げに注入します。

ひび割れた床面の基礎部分の砕石(栗石)までの到達を推察して、下部分の濡れた箇所は水中硬化型で充填し、上部には中粘度で充填という事にしました。

このひび割れた長さは5Mでひび割れ幅は1㎜(表面は0.4㎜)コンクリートの厚みは100㎜とするとひび割れた内部の容積は5M×1㎜×100㎜=500CCとなります。

取り付けたフロッグは25個ですから1個当り20CCで計算上は満杯になります。

今回は1個当り50CCも入れていますから、おそらく砕石の中にかなり流れ込んでいるのではないかと思います。

通常現場で指導する時にはひび割れの中に入る樹脂は計算した数量より1,5倍ほど注入すると良いよと言っていますが、今度のように下が砕石とか防湿フイルムのように入れすぎても他に影響が無い時は気が澄むまでいれるように言っています。

気が済んだかい・・・。

うん、済んだけど喉か渇いて死にそうだ・・早くゲータレードを買って来て。

仮止めシールとフロッグの撤去はバーナーで暖めながらスクレーパー(小型)で削ると殆ど下地を傷つけないで取れるよ。

サンダーなどは使っちゃ駄目。
粉塵を出すと近所の怖いおばちゃんから怒られるよ。それでなくても暑くていらいらしているのだから

『眠れるおばちゃん虎を起こすな』