写真は高等学校の廊下の壁面にひび割れが発生して漏水している箇所です。
ひび割れ幅は0.2~0.3㎜です。
通常の雨では漏れてきませんが強い風を伴った雨の場合には漏水してきます。
この学校はまだ新しく、建築後4年目となります。
剥離性の仮止めシールを使用する場合は施工に3日間は掛かりますが、ここの場合は学校で何か催しがあるようで2日間で仕上げて欲しいとの事なのでフロツグの取り付けは2成分型の剥離シールを使用しています。
2成分型の場合は硬化促進剤を混合すると硬化は1時間程度で始まり完全硬化は3時間で完了します。
超低粘度エポキシ樹脂の初期の硬化は5~7時間ですから、一日目にセッティングと注入を済ませます。
翌日には撤去が可能となります。
この2成分型の剥離シール材を使いこなせると色々な場所で有効に使えます。
この2成分型の剥離シールは私がメーカーに勤務していた時に技術と一緒になって創り上げた物なのですが、今は、低圧注入専門の方達のみが使うような特殊な材料となっています。
兼業の職人さんには使いこなせないようです。
2成分型ですから攪拌のためのドリルが必要だし、硬化を早めるために促進剤を使用しますがどれだけの量を入れると何時間短縮できるかなどはその日の気温にも拘わりますから使用頻度が多くないと解らないでしょうね。
私にしてみればプロならどんなものでも経験して使いこなして欲しいと思いますが、異業種の人達からしてみれば難しいと見えるのでしょうね。
私だって左官屋さんの道具を上手く使えと言ってもすぐにはできませんからね。
低圧注入の工事は特殊な工事で他業種のように専業のプロは殆どいませんからね。
いないと言うより業界で育てると言う気風が全体に無いからいつまでも素人が施工していると言う悲しい状態となっているのです。
現場にいる塗装屋さん左官屋さん、下地処理屋さん、防水屋さん、シーリング屋さん、クリーニング屋さん・・・・などなど。
例外的に素晴らしい技術の人もいますが。
低圧注入の材料メーカーは売れれば良いと思うから素人でも簡単にできます、工具は要りません・なんてPRするもんだから・・・。
素人でもいいのですが、ひび割れの中に確実に樹脂を入れるまでやらなければお金は取れませんよ、ぐらいは指導しなければ駄目です。
欠陥マンション事件以来、ひび割れは一般の方にも注目されるようになったのに仕事量が増えないのは業界の人でさえ不確実ないい加減な工法だからと思われているからなのです。
せっかく国家試験まであるのですから、現場ではせめて資格者を指定するぐらいの努力はして欲しいとおもいます
安ければすべて良しでは建物の持ち主が気の毒です。
高価な買い物だったのですから・・・・ねっ。
若きウエルテルの悩み・・ではなく・老いたフロッグの悩み・・なのだ。ってかぁ。