低圧注入工法の問題点を工事現場から報告したいと思います 全国に数少ない低圧注入工事を生業とする専門店への啓蒙も微力ですが広く行いたいと考えています

フロッグの行く先

コンクリートのひび割れ補修の専門です

食品工場の床のひび割れの場合

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昨日と今日は食品工場の床面のひび割れ注入でした。

ひび割れてから数年経過していますからひび割れの中にはゴミ、食品のタレが流れ込んでいます。

ひび割れの中にゴミが詰まって入るだけではなく普段は床に水が流れているそうでひび割れの中は水気が

あります。

ひび割れ注入の条件としては最悪の状態です。


さて、どうしましょう・・・。


しかも注入後にはその部分も補修は一切しないとの事です。

このような場合は理想的には、ひび割れにサンダーの刃をいれてひび割れの中を削り取りゴミなどを除去

すればいいのですが、今回は表面の仕上げはしないということなのでそれもできません。


お客の要求ですから仕方が無いのですがこれでは確実な注入はできません。

元請さんは不完全であっても施主の要求通りにして欲しいと言う事なので仕方がありません。

お金を頂くのですから了解の下ならばしょうがないでしょう。


工場の休みの日程とかそのような大事な事も色々とあるのでしょう。


では限られた条件の中で精一杯多く注入をしましょう。


ひび割れの中にゴミが詰まって入るのをそのまま注入するのですから注入された樹脂はゴミの間を通りな

がら下のほうへ侵入していきます。

常識から考えると最初により柔らかい超低粘度型の樹脂を入れてから・・と思いますが残念ながら水中硬

化型の超低粘度は無いのです。

低粘度型からしかないのです。

そこで今回はほんの少しだけ通常の超低粘度型の樹脂を最初に入れて2回目の注入からは水中硬化型の樹

脂を注入しました。

場所によっては2度目の低粘度型は殆ど入らない箇所もあります。

ゴミと油が混ざって侵入している箇所は無理のようです。

ひび割れの表面付近だけはカッターの刃で可能なだけ削っていますからその部分だけには樹脂は廻ってい

ます。

気に入らないのだけど仕方の無い事です。


今回はひび割れの表面を埋めて欲しいとの事なので仮止めシールはエポキシ系の速乾タイプで行います

このタイプの仮止めシールにはメーカーによってその性能に大きな差がありますから良く選定して欲しい

ですね。

クイックなんとかと言う商品は不向きですね。

この接着剤は主剤と硬化剤を混合すると極端に柔らかくなって垂れてしまいます。

器具がずれたりダレて広がる為にひび割れを潰してしまいます。

素人の人はこの製品しか知らないものだからこんなものだと我慢して使っているようですが専業の職人か

ら見るとまるで欠陥品のようです。


私の場合はGP#3とかSRクィクとかを使用しますね。


天井面でも垂直面でも決して垂れ下がったりはしません。

この差はメーカーの技術力の差なのだと思います。


写真は注入後の様子ですが水中硬化型エポキシ樹脂の低粘度型を注入しています。

場所によっては3回目の注入もありますが1度目で殆ど侵入しない箇所もあります。


撤去はバーナーで炙りながら撤去していきます。

この仮止めシールは剥がれやすく下地のほうもあまり傷をつけません。


フロッグの撤去は素手で強く横方向に倒すと簡単に取れます。

簡単に剥がれるのは長所なのですが、逆の見方をすると衝撃には簡単に剥がれるので注入するときに荒っ

ぽく動かしながら注入すると剥がれて漏れてきますからその事は理解して使いこなして欲しいと思いま

す。


なんでもそうですがプロならば材料については自分なりに使いこなして欲しいと思います。