低圧注入工法の問題点を工事現場から報告したいと思います 全国に数少ない低圧注入工事を生業とする専門店への啓蒙も微力ですが広く行いたいと考えています

フロッグの行く先

コンクリートのひび割れ補修の専門です

公営住宅のひび割れ注入工事2

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今年は残念ですがやりかかった仕事を残したまま新年を迎えます

12月から北関東の県営住宅の外壁改修工事を受注したのですが、4棟を年内に納める予定でしたが仮設足

場が予定よりも1週間も遅れたために我々の仕事も遅れてしまいました


最近は人手不足なのかなかなか予定通りとは行かないようです


一般的な話なら・・・土木、建築は人手不足という事なら関わっている人たちはさぞかし儲かっているの

だろうと思えますが、そうではないのです。


アベノミクスで公共事業の予算を取っても実際には公共事業費を消化できていないという事に象徴される

ように現場では貰からない予算設定が多くて土木建設の元受会社が受けたがらないというのがその原因に

あるようです。


但し今回のような地方自治体の工事はその様なことは無いようです。

予算についての文句はなんにもありません


さて、現場は北関東ですから都内よりは気温が2~4℃は低いのですが、施工前に樹脂の硬化時間が大変に

気になっていましたが、案の定仮止めシールの硬化は2日間は掛かっています。

特にフロッグの台座下は空気にほとんど触れないので5℃程度ではとても硬化しません

指触乾燥すら半日は掛かります


したがって仮止めシール材は2日間養生して、注入もできるだけフロッグのタンクに圧力を掛けないよう

に何度も樹脂の注ぎ足しをしています。


とても面倒です・・・。


樹脂は超低粘度型を先行して注入しますが、この樹脂は翌日であってもゲル化すらしていません

粘ってくるのは2日後となります


低粘度型の樹脂は翌日には粘っていてフロッグの撤去もできる硬さになっていました

注ぎ足したところは撤去しても大丈夫でしたが・・・とても面倒です。


なぜ超低粘度型の樹脂は硬化が遅くて、低・中・高粘度型の樹脂は硬化が早いのでしょう

超低粘度型の樹脂は樹脂の純度が高くて低・中・高粘度型の樹脂はいわゆる固くするための充填剤を多く

混入している為だと言っても間違いではないと思います


だから超低粘度型の樹脂は他の硬さの樹脂よりも倍ほどの価格ですよね


高価だから殆どの方は使用しないのだというのも頷けるでしょう


ひび割れ幅は決して一定ではないために、必ず樹脂は柔らかいものから硬いいものに注ぎ足すことが基本

なのです


硬いものから注入したらひび割れの奥の方が狭くなっていたら樹脂はそこまでは侵入しないからね

そこで、早くゲル化する方法ですが超低粘度のみの注入の場合には最後に僅かの量の低粘度型の樹脂をフ

ロッグに入れておくとフロッグの中は早く固まります


撤去する時に未硬化の場合に問題なのはフロッグの中の樹脂が残った圧力で飛び散るという事ですから

この部分さえ固めておけば撤去は問題が少なくなります。


圧力を掛けてひび割れの中に注入しているのですから、注入した後に直ちに仮止めシール材を撤去すると

樹脂は逆流して漏れてきますが、数時間も経てば樹脂はひび割れの中に静かに納まっています

但し天井面は樹脂の重力で漏れてきますから、天井の場合はどんなことがあっても樹脂が硬化してからの

撤去が常識です。

注入中に樹脂の注ぎ足しに器具を外して再度注入できるというメーカーもいますが、そんな馬鹿な・・・


何が何でも翌日には撤去したいという方に・・

注入材でアクリル系のものもあります

ハードロックという商品名ですが私は全く使えないと思いますが、このメーカーは低圧の注入用としてい

ます

速乾に近いほどの硬化時間です

この樹脂は空気に触れなくなると硬化が極端に早くなります


つまり低圧注入器具の中では空気に殆ど触れませんから殆ど速乾となります

そもそも低圧注入工法とは微細なひび割れの中に小さな力で時間をかけて押し入れるから侵入していく原

理のものです。


この樹脂のように長くとも10分程度で固まってしまう樹脂がどうして低圧注入工法で使用できるのでしょ

う・・・・・かなり大手のメーカーなのですが、工法そのものを理解していないのでしょう

この商品をエポキシ樹脂を注入した後にタンクの中だけを固めるという方法なら使えると思います


今回は外気温度が最低気温0℃で最高温度は5~7℃でしたが超低粘度型は2日間でやっとゲル化

低粘度型は翌日にはゲル化していました


樹脂の各メーカーは使用範囲を5℃以上とありますが実際はその温度以下でも使用することが多くあると

思いますが、私の経験からすれば一日に5℃以上がある時間帯があれば硬化には時間が掛かるかも知れま

せんが間違いなく硬化してしまいます。