低圧注入工法の問題点を工事現場から報告したいと思います 全国に数少ない低圧注入工事を生業とする専門店への啓蒙も微力ですが広く行いたいと考えています

フロッグの行く先

コンクリートのひび割れ補修の専門です

モルタルの浮き注入はこんな風に

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引渡しを2ヶ月前にした建築中のマンションです。

今年に入ってから床面の工事が多くなっていますが何かの流れなのでしょうか。


今回はマンション地下の駐輪場床面のモルタルの浮き部の注入工事です。


この部屋については昨年に切り付け部分からの漏水をフロッグ導入路工法で止水をした場所です。


床スラブを平滑にする為に厚さ10㎜のモルタルを補修として仕上げています。

最終の仕上げは長尺の塩ビシートとなるようです。


この建物は大手重工業メーカーから分離したデベロッパーが直工事で施工しています。

普段から仕事の丁寧振りには感心しています。


モルタルの上に塩ビシートを敷くとなると普通なら多少のモルタルの浮きは隠れてしまうので注入までは

やらない所ですが、ここでは徹底して浮きを直すとの事。


モルタルの浮いている箇所の補修は、浮いている箇所に穴を開けてその穴からグリスポンプでエポキシ

樹脂をコンクリートモルタルの隙間に高圧で注入する方法です。

殆どの職人さん達はこのような場合にエポキシ樹脂は高粘度型(グリス状)しか使わないのですが、私は

床の場合は出来るだけ柔らかいタイプの樹脂を使います。


浮き注入の場合にその隙間の幅については殆どの職人さんは全く問題にはしませんが、実はその隙間の幅

は注入施工については大切な事なのです。


ひび割れ幅とか色々な隙間に樹脂を注入するには、基本的に知られている事に約0.5㎜以下の隙間には1~

4㎏の低圧での押し圧でしか樹脂は侵入しないと言う事があります。

だからこそそのような隙間にはフロッグのような低圧注入器具が必要なのです。


グリスポンプで高粘度の樹脂を穿孔した穴から押し入れる力はなんと100~130㎏もあるのです。

理論的には高圧の注入工法で全ての浮き幅に適応する事など有り得ません。

モルタルが浮いているからといって全てその浮き幅が0.6㎜以上とは限りません。

むしろその浮き幅は殆ど0.5㎜以下の可能性のほうが多いと思います。

それならば浮き注入も低圧工法でやるべきでは・・・・・。


何故こんな理屈に合わない高圧の工法で注入できているのでしょうか。


グリスポンプで注入した方は殆ど知っていると思いますが、穿孔した穴にグリスポンプのノズルを押さえ

つけてハンドルを強く動かすと、モルタルとかタイルがメシメシと音をしてから樹脂が入って行きます


そうなのです・・・100㎏ほどの押し圧で樹脂を押し入れますから、浮いている箇所を更に押し広げてか

ら樹脂は侵入していくのです。


我々の中で『共浮き』という言葉を使いますが、これは注入する力で正常なところも一緒に押し広げ浮か

せてしまう事を言います。


浮いている箇所を補修しているのに注入することによって正常な箇所も浮かしてしまうと言うことを言い

ます。


タイルが浮いている場合に、私は必ず新しく張り替えた方が良いというのは、このように注入すればする

ほど共浮きする場合が多いと言う事を心配するからなのです。


今回の場合も浮いているモルタルの厚さは10㎜程度なので簡単に共浮きを起こしてしまいます。

しかし高圧で注入するには隙間を押し広げていくしかありません。


そこで樹脂の硬さを柔らかいものにする事によって、多少は押し広げる力とか共浮きは最小限に留める事

ができると思うのです。


高圧注入は樹脂はグリス状と思っている方も一度この理屈を考えて欲しいと思います。


今回も中粘度型(マヨネーズ状)の冬用を注入しました。

冬用の中粘度は部屋の中ではかなりやわらかくなっていますので注入もスムーズでした。


樹脂メーカーの技術者がもう少し勉強して職人さんたちに教えると良いのだけど、残念ながらメーカーの

社員は現場のことには殆ど疎いからね。




話は変わりますがオリンピックではなかなか金メダルは取れませんね。

日本のマスコミはどうしてこんなに身びいきなのでしょうね。

親バカ、ペットバカに象徴されるように身内は全て客観的には見えない国民なのでしょう。

モーグルなんかでは特にそうですが上村選手のカービング(?)ターンは世界では彼女一人しかできないと

か言っておいて負けると、いつの間にか勉強されていたのでしょうか・・・?

練習風景を見るとスキーを少しでも経験しているとそんな事は直ぐに解る事。

メダルを取ったカナダ、アメリカの女子選手の滑りは力強さとか確実さは男子選手並みだもんね。

どんな時にも膝はしっかりと離れないもの。

世界の他の選手の映像を殆ど流さないものだから国民はコメンテーターとかアナウンサーをそのまま信じ

るのだろうね。


もう少し競技そのものを楽しませて欲しいものです