低圧注入工法の問題点を工事現場から報告したいと思います 全国に数少ない低圧注入工事を生業とする専門店への啓蒙も微力ですが広く行いたいと考えています

フロッグの行く先

コンクリートのひび割れ補修の専門です

低圧注入器具のJIS規格は

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写真は仮止めシール材の剥離試験の様子です。

最近の外気温度は非常に高いために外壁のひび割れに取り付けた剥離シールがなかなか取れにくいという

現象があります。

剥離性と謳っておきながら実際にはなかなか剥がれないという苦情が多発しています。

K社のウレタン系もN社の変性シリコーン系も同様なかなか剥がれにくくなっています。

シール材は硬化途中で高熱を与えるとゴム弾性に影響を与えて非常に脆く切れやすくなってしまいます


経験した職人さんはよく解ると思いますが、このシールの剥がれ具合で手間が大きく違ってきます。

更には下地に余計な傷をつけてしまいます。


毎年のことなのですが、どんなに苦情が挙がろうとも、この両メーカーはまったく改良をしようという気

は無いようです。


そこで、一般に出回っているシーリング材を使用して剥離性の仮止めシール材を造ろうと考えています。


知的所有権に至るほどではなく隠す必要はありませんが、事前に剥離用プライマーを下地に塗布しようと

いう方法なのです。

ひび割れの周りにシーリング材が接着しないものを予め塗っておこうというものです。


12月ごろまでには市販のカートリッジタイプの、例えばシリコーン程度で使用できるように剥離プライマ

ーを開発したいと思っています。


プライマーさえ用意しておけばホームセンターでも間に合いますからね。



話は変わりますが、JIS規格の件


結論から報告すれば国は必要としないとの連絡でした。

返答があったのは経済産業省産業基盤標準化推進室という長い名前のところからですが、わざわざ国土交

通省の担当まで連絡して調べた結果のようです。

多忙なところにこのような依頼にまじめに取り組んで頂いた事には感謝したいと思います


ただその理由については残念ですがあまり納得できるような内容ではありません。


低圧注入の不確実という風評については殆ど理解されてはいないようです。


考えてみれば国土交通省は各物件の施主の立場にあるわけですから、現場での問題点は絶対に挙がる筈は

ありません。

6月に工事店から八ツ場ダムでフロッグを使用したとの連絡でしたので、その様子をブログに載せたいと

話したら元請け会社からとんでもないと怒られたことがありました。

発注者にはひび割れは隠すことがあるのです。

余計なことは知られないようにするのです。


橋梁のひび割れに指定通り低圧注入で補修しましたが、実際はひび割れの中に樹脂が入りませんでし

た・この工法自体に問題があるのでは・・・・。

なんて元請けの建設会社が国土交通省の担当者に相談する訳はありませんよね・・。

気になっていても、検査は殆ど無いのだから深く考えないで職人さんの言葉を信じて完了,おしまい。


苦情が、問題点が近くに挙がらないものだから、官民共同研究から採用して既に20年以上も経っているの

にその当時のままの製品がいまだに使われていることに疑問すら持たないのだと思います。


JISA6024にしても既に29年も経過しているにもかかわらず未だに規格のみとなっています
JIS認定工場とはなっていないのです。

問題意識がない限り変革はしないと言う事なのです。


前にこのブログで報告していますが、独立行政法人コンクリート研究所の担当の方から連絡を貰ったとき

に低圧注入工法は本当にひび割れの中に樹脂は入っていくの?と質問されたことがあります。

低圧注入工法が不確実な工法なのではと言う疑問はこの辺までは知られているようですが、施主となる国

土交通省まではなかなか届かないのではないかと思います。


なにか大きなきっかけがない限り施主までは不都合なことは届かないようです。

それでも懲りずに細々と啓蒙していくのです・・。