低圧注入工法の問題点を工事現場から報告したいと思います 全国に数少ない低圧注入工事を生業とする専門店への啓蒙も微力ですが広く行いたいと考えています

フロッグの行く先

コンクリートのひび割れ補修の専門です

マンションの大規模補修工事の問題点

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都内のマンションの大規模改修工事ですが、躯体のひび割れ補修については写真のように速乾性のシーリ

ング材を塗りたくって完了となっています。

磁器タイルの割れについてもその部分のタイルを剥がして新しいタイルの貼り直しで完了です


タイルが割れているという事はコンクリートの躯体も割れているわけですが、そのひび割れが湿っていて

も単に貼り直しで終わりとしています。


タイルの下の躯体にもひび割れがあり、しかもそのひび割れが湿っていても防水とか注入の方法には全く

関心が無いようです。


経験からすればひび割れた躯体の固定を行わないでひび割れた上にタイルを直接貼ると数年すればタイル

は割れてしまうかもしくはタイルが浮いてしまいます。

ひび割れた隙間にある空気、湿気は常に暖かい方へと移動します

つまり常にひび割れの中の空気は内外へと動いているわけですからタイルはそのひび割れた個所におなじ

現象を起こすという事になります。


池袋駅付近の芸術劇場付近の地下道では床に大きなタイルが貼ってありますが,ひび割れたスラブ床のひ

び割れを修理しないで割れたタイルだけを貼りかえるものだから既に2度もひび割れの再発があります

何度張り替えても躯体を固定しない限り何度も割れますよ・・・・と言いたいですね。


担当の方はこのような再発の現象を知らないのだと思います



このように首都圏にあるマンションの改修専門の工事会社ではひび割れについての処理の方法は表面に

シーリング材及び塗装で塗り潰すだけが主流となっています。


一般的に首都圏にある改修業者は塗装業者及び防水業者などが発展したような形態の会社が多くあるよう

です。


もともと大きなマンションを造っていたような建設業者であったという改修業者はあまりないように思え

ます。


全国のその正確な情報はありませんが、私の経験からすれば首都圏以外の地区はそのマンションを造った

建設会社が大規模改修工事を受注しているというようなケースが殆どのようです。


車で言うと故障したり車検を行う場合に、新車を購入したディラーで行うか、もしくは町の修理工場で行

うかに似ています。

しかし似てはいますが、マンションの場合にはその修理のグレードがピンからキリまであり自由ですが

自動車の場合には基本的には法的にその方法が決まっていますからその内容は大きく違います。



ではなぜマンションを造る様な大手の建設会社がマンションの改修工事をやらないかと言えば、改修工事

の基本的な考え方が違うからだと思います。


例えばこのようなひび割れ補修にしても大手の建設会社ならば各会社には研究所もあり技術者も存在して

例えば低圧注入工法という方法も昔から知っていて建物の大切な箇所のひび割れには必ず低圧注入工法を

採用するのですが、防水とか塗装業者から発展した会社ではそのような工法の研究も知識も無いような会

社が多いために知らないものは面倒という事で価格の見積もりの中には入れていないのです。


マンションの管理組合はそもそも建築の素人の集まりなので見積もり価格だけで判断してそのような業者

に発注するという事になります。



しかし、このようなことについては何が正しくてなにが正しくないというようなことはありません



管理組合が価格等によって発注のグレードを選んでいるという事になります。



多少ひび割れがあったとしても既に30年間もなんの問題もないのだから表面の化粧だけでいいだろうう


という事だと思いますが、数年後にはブリード現象で補修した跡がみっともなくシミとして浮き上がりま


すよ。




このブログを書いたのは2月26日でした

今日5月30日はまだ3か月しか経過していないのに、この部分を見たら案の定写真のように引けムラが出て

きました。


施工跡が出てきても気にしない方なら許されるでしょうが、もともとひび割れの補修とはならない方法で

シール材を塗っているだけなのですから・・・・いったい何のためにシールしたのでしょう。