先週から数回に分けて東京メトロの歴史ある紋章の浮きの補修を試験施工していたのですがやっと決まり
ました。
実際の施工は今週末ぐらいからとなっています
地下鉄工事に関わった方は知っていると思いますが仕事は電車の終電から始発までの本当に短い時間しか
ありません。
工具を用意したり掃除したりで正味の仕事の時間は僅か3時間ほどです
この3時間の間にいかに効率よく仕事をするかで、その仕事の成果が表れます
私はこの仕事は楽しいと思っています
私は、そろそろ現場を離れたいと思っていますが、近い将来にこの駅に来た時にホームのこの紋章を見る
と今の事を懐かしく思い出し、そして色々な未熟さそして徐々に若さが削られて行く口惜しさ等々思い馳
せるのではないかと・・・・・
カッコよすぎますよね
この紋章をどのようにして柱に取り付けたのか知りたいものです。
彫りやすい石膏版をあらかじめコンクリートに取り付けてそして職人さんが彫刻をしたのか、もしくは予
め彫りあがったものをコンクリートに接着させたのか・・・・どちらなのでしょうか
いずれにしてもこのホームには68コの紋章があります、全部同じように浮いていますからすべてを接着材
を注入して固定する予定なのです。
浮いている隙間には優しい力で樹脂を注入するのなら低圧注入工法(フロッグ工法)、強い力で簡単に施工
できるなら高圧注入工法があります。
今回は試験の結果、後者の高圧注入で施工します
但し高圧注入ですからむやみに強く注入すれば、この紋章は石膏のように脆いものですから簡単に割れて
しまいます。
割れてしまっては取りかえしがつきません
丁寧に耳を澄ましながらそして樹脂の入る様子を想像しながらの施工が絶対に必要なのです
テコには任せられません・・はいっ・・。
打診音での位置を知り、振動ドリルで穿孔しそして圧縮エアークリーナーでキリ粉を除去してそれから中
粘度型エポキシ樹脂を高圧注入します。
そして養生で完成です。穴埋めは専門屋さんにお任せなのです