低圧注入工法の問題点を工事現場から報告したいと思います 全国に数少ない低圧注入工事を生業とする専門店への啓蒙も微力ですが広く行いたいと考えています

フロッグの行く先

コンクリートのひび割れ補修の専門です

低圧注入器具フロッグは休憩です

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昨年末にフロッグの鋳型の修理を決めて、今月の生産は休止です

フロッグはプラスチック製品ですがその成型方法はいわゆるブロー成型となります

今回は鋳型の修理と汎用品の一部改良を行います


汎用品は主に天井面のひび割れに使用しますが、注入後に樹脂が少しですがタンクに残ってしまうという

『もったいない』という事にこだわって改良しようと言う事にしました。


気になると落ち着かないという日本人特有の気質なのでしょうか・・・どうしても気になるのです。


今月は代理店さんの在庫と僅かな当店の在庫数でまかなうしかありません


寒さのせいで今月はシンパ工事店の皆さんの工事が少ないと良いのですが。



今日は地下鉄工事現場の止水している現場に呼ばれて訪問してきました・・・・。

どうして呼ばれたのかといえば、一週間も前から止水工事をしているのに全く水が止まらないらしいので

施工方法を見てとの事。

その施工方法に驚いてしまいました・・・・0.3㎜幅程度のひび割れから地下水が漏れてきているのです

が・・。

ひび割れの上にドリルで10㎜の穴を開けて高圧のポンプで発泡ウレタンを注入しているのです

それだけなのです・・・そう他にはなんにも無し。


ひび割れには仮止めシールもしないで、穴を開けてノズルを押し込んで樹脂を注入しているだけなのです


こんな方法ではひび割れの中に樹脂が入る訳はありません。

ひび割れ幅が1㎜以上もあれば確かに樹脂は入るかもしれませんが、それにしても、仮止めシールが無け

れば直ちに直ぐ傍から樹脂が漏れてしまう筈です。


傍から樹脂も漏れて出てこないのは、樹脂が全く入っていないからなのです。


唖然とはこのような事です。


あまり他の施工屋さんの批判はできませんが・・・どうして低圧注入工法が生まれたのかは知らないので

しょうね。

微細なひび割れの中に樹脂を注入する方法は、高圧でいくら圧力を上げても絶対に注入が出来ないという

過去の結果があって、そして小さな力での圧力なら進入できるという結果があるからなのです。


現実に今回のように微細なひび割れから地下水が浸み出すように出てくるのは地下水の圧力が小さいから

または小さくなっているから水か出てくるのです。



微細なひび割れから消防のホースから噴出するように水が出てくる訳はありません


ひび割れに注入すると言う事はこの原理と全く同じなのです


もっと解りやすく言えば消防のホースの先端に0.3㎜のノズルを付けて高圧を掛けるとどうなりますか

どんなに高圧を掛けても殆ど水は出てきません、長時間を掛けてやっと浸みる程度です。

限界まで来るとホースは破裂します。

微細なひび割れの中に接着剤を入れるとすればこの原理と一緒で高圧の力では絶対に接着剤は進入してい

きません。


長年こんな方法で止水をしているらしいけど・・・。

低圧注入工法が何故存在しているかなど考えもしないのでしょうか


高圧のポンプでひび割れの中に樹脂を注入ができるなら、何も面倒な低圧注入工法なんか誰も使いはしな

いさ。


ひょつとすればコンクリートの壁面を突き抜けて地中まで穴を開けてそこに樹脂を流しているのでしょう

か。

そんな方法で止水をする積もりなら数トンの量のしかも水ガラスのようにしっかりと固まるような樹脂で

なければとてもひび割れからの止水は不可能でしょう。

水に反応する発泡ウレタンのようにくらげのようにふにゃふにゃの発泡体程度では肝心のひび割れの部分

に確実に接着する筈はありません。


そこには砂、石、泥が水に混ざっているのですよコンクリートに殆ど接着しない発泡ウレタンなどでは

どう考えても無理・・・。


現場には設計事務所の人間だとしてゼネコンさんに案内されたために直接は話しはしていませんが、プロ

ならば勉強して欲しいですね。


付け加えると基本中の基本なのですが、微細なひび割れの上から振動ドリルで穴を開けるとキリの回転に

よってコンクリートの切り粉がひび割れの中に詰まってしまい隙間が無くなってしまいます。

樹脂なんか入るわけは無いですよ。


ひび割れをコア抜きしたらひび割れが完全に消えることなんて見たことも無いのでしょうか。


ひび割れの注入に関しては、いかに素人がいい加減な仕事をしているのかと言う事がわかります


東京の地下鉄工事ですよ・・・


山の中の熊さんの冬眠のための穴の工事とは違いますよ・・・・。



来週は米軍基地の現場です。