低圧注入工法の問題点を工事現場から報告したいと思います 全国に数少ない低圧注入工事を生業とする専門店への啓蒙も微力ですが広く行いたいと考えています

フロッグの行く先

コンクリートのひび割れ補修の専門です

低圧注入器具の分類と特徴

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メーカー別の低圧樹脂注入器具の押し圧を発生させるシステムは次の様に分類されます。

最初の写真にある細長いデザインのものは丁度注射器のようにピストンを押す事によって樹脂を押し入れる方法です。
その押す力を両端の輪ゴムの復元力を利用しています。
ノズルの先を樹脂の中に漬けてピストンを引きシリンダーの中に樹脂を入れて、予めひび割れの上に取り付けた台座に取り付けそしてピストンに輪ゴムを引っ掛けて注入する方法です。
この器具は注ぎ足しの機能はありませんがシリンダーが空になったらまた最初からの方法で再注入はできます。
但し短い青い輪ゴムの方は台座に逆止弁がありませんから一旦外すとせっかく入れた樹脂が戻って溢れてきます
注ぎ足しは出来ないと考えた方がいいです。
外しても樹脂が溢れてこないような圧力が抜けている場合はひび割れ幅が大きいものですから、この場合はなにも低圧注入をしなくてもひび割れの中に直接注入口を取り付けて中圧でも高圧でも樹脂は入って行きます。
大きなひび割れの場合にわざわざ高価な低圧注入をやる必要はありません。
この製品はいずれも再利用が出来るという仕様になっていますが、持ち帰って容器の中を清掃するのは大変です。

次の丸い形のものと細長い器具は風船のように容器が薄いゴムでできています。
樹脂はそのゴムの中に入って膨らせます。
膨れて伸びたゴムが復元する時の力で樹脂を押し出します。
赤い丸いものは樹脂を入れるときの歯止めがありませんから入れすぎると破裂してしまいます。
そして天井は樹脂の重さで最後まで樹脂を押し入れる事はできません。
注入は注入口からポンプで充填します。注ぎ足しは自在にできます。
いづれも使い捨ての一回きりの商品です。

細長い製品は真ん中が膨れてきますがこれも注ぎ足し機能はありません。
台座に逆止弁がありませんから外すと溢れてきます。
再利用できるといっていますがゴムの中に入った硬化したエポキシ樹脂をどんな方法で清掃できるのでしょう。
それに注入した器具は全部必ず空になるとは限りません。
場合よってはひび割れの中に入らないまま固まってしまうものがあるわけですからどうするのでしょう。
再利用できるというのは製品価格が安いものに対抗する為の方法でしょうが、できそうも無い事をPRすると現場の職人さんは間違った方法で施工するかもしれませんね。

次の二つは器具の中に樹脂を充填する際に発生する圧搾空気の圧力で押し入れる方法です。
ひび割れに台座とも一緒に取り付けてポンプで充填します。
注入口は逆止弁が付いていますから樹脂の継ぎ足しが自由自在に出来ます。
空気の圧力ですから構造が簡単で使い切りの製品です。
圧力も充填する樹脂の量を多くすると高くなり、少なくすると低くなります。色々なテクニックを使う事ができます。
例えば小学校のように子供達が触る恐れがある場合は注入が終わったらタンクに穴を開けて空気抜きをすれば安全です。
低圧といっても破裂すると樹脂は飛散します。目にでも入るとエポキシ樹脂は滲みて大変です。
タンクのなかの空気は常に上にありますから穴を開けても樹脂は漏れません。

一体成型品はフロッグのみです。
逆止弁は自転車の空気入れのバルブと同じ構造になっています。
コストダウンはこんなところの開発が理由です。

大まかには以上のように分類されますがこの他にコンプレッサーの空気圧を利用して樹脂を入れる方法もあります。
また、発泡型の樹脂の発砲するエネルギーを利用して注入する方法もあります。

次は価格の比較と販売先の市場について書きます。

今日の意見は施工上の好き、嫌いも加味していますから場合よっては偏った意見もあるかもしれませんがそれはそれで考慮して読んでください。
決して悪口が好きではありません。
女性は好きですが・・・。