低圧注入工法の問題点を工事現場から報告したいと思います 全国に数少ない低圧注入工事を生業とする専門店への啓蒙も微力ですが広く行いたいと考えています

フロッグの行く先

コンクリートのひび割れ補修の専門です

低圧樹脂注入器具の性能比較

イメージ 1

イメージ 2

今日は価格の比較を書くつもりでしたが、先に性能比較の結果から報告しましょう。
今回はシリンダータイプのものと空気圧で注入するフロッグの比較です。

自分で開発した商品と古くからあって占有率が比較的に高いものと比較実験をしたわけですが、決してえこひいきはしておりませんので安心して見てください。
でもこの比較は私にとっては例えば好意を持っているいる女性とそこら辺のおばさんとの比較のようで心苦しいです。(おばさんごめん、僕もおじさん)

比較実験は注入した際の樹脂の広がりとその経過時間です。


画題は幅25センチ長さ30センチの枠にアクリル板を重ねてその隙間を0.6㎜として表面に0.7㎜の穴を開けてその上に器具の台座を取り付けています。

注入した樹脂はエポキシ樹脂の一番硬いグリース状のものです。判りやすいように色をつけています。

結果
上の写真の輪ゴムで押し入れるシリンダータイプのものは最初の20分間に少し入りましたがそ れ以上は3時間経過しても入りません。
   
下のフロッグは5分間で写真の位置まで広がってしまいました。
更に樹脂を充填すると樹脂はすぐに広がりを見せます。

考察
シリンダータイプは輪ゴムの戻る力で樹脂を押し出すわけですが、これだけ硬い樹脂の場合には容器内の抵抗が大きくて力不足となっているのではないかと思います。
シリンダーの内径は30㎜で吐出口は4㎜です。
樹脂は輪ゴムの戻る力で広いところからその10分の1強の狭い吐出口に押されますが、その時に発生する抵抗がこのような結果だと思います。
この構造は医療の注射器と同じですが注射器の場合も水のように抵抗が無いものは親指だけで押せますがちょっと硬いマヨネーズ状態のものは押せません。
これと同じ状況で器具の先端から樹脂は出るのでしょうが圧力が極端に下っているのではないかと考えられます
更には侵入していく樹脂も広がるとともに壁面に抵抗が発生します。
その広がった樹脂を押すにはもっと強い力が必要となります。
吐出するときの圧力は何キロなんでしょうか
低粘度の場合には抵抗なく入っていくとは思いますが硬いものは苦手のようです。

他の風船型も圧搾空気利用の型もタンクの樹脂が無くなれば当然圧力は低下します。
だからこそ継ぎ足しによって圧力を上げるシステムを作っているのです。

フロッグの場合には一度注入して樹脂の動きが止まったときに更に樹脂を入れて圧力を上げます。
樹脂はその圧力がなくなるまで入っていきます。
何度でも入れることはできます。

ポンプなどで注ぎ足しができるタイプのものは自在に圧力を加える事が出来ますがその機能が無い製品は最初から輪ゴムとか皮膜のゴムを強くする(?)事が必要です。
柔らかい樹脂の場合には殆ど問題は無いと思いますが、ひび割れの中に巣穴があつたり、割れて広がっていた場合は硬い樹脂でフォローしなければ完全な充填はできません。
ひび割れ幅が大きい0.6㎜以上の場合には過去20年以上とこれから先もこのようなケースの場合にはどうするのでしょう。
前にも話しましたが建物のひび割れ幅は決して一定ではありません。狭いところも広いところもあります
  
次は価格の話です。

牛肉コロッケのミートホープの社長が安いものを求める消費者が悪いのだと言っていましたが、安いものとは一体どういうものを安いというのか良く考えて欲しいものですね。

消費者の殆どは価格が安いだけを求めている人は少ないと思います。
例えば中国産の野菜は確かに安いですがスーパーで飛ぶように売れているかというとそうではありません
むしろ最近では売れ残りが多いようです。
安いという事には条件があります。

まず今までのものと機能、性能が同じか更には優れている事、食品であれば品質の表示どおりで他社のものと成分は同じである事。
安くする為に基本的なものを変えて異種のものを作りそしてそれが安いというのはそれは違うよという事です。

車で例えるとカローラの新車でAディラーでは160万円でBディラーでは140万円という場合は安いと言います。
売店カローラを買いに言ったのに、ダイハツの軽自動車を安いですよと薦められてもそれは安いとは言わないよ・・・という事だと思います。

低圧注入器具の価格ですが大まかには次のようです。大まかな1コの価格です。
シリンダータイプのものは400円から500円程度。
ゴム風船タイプは380円から450円程度
空気圧タイプの場合は250円から300円程度
フロッグの場合は180円から200円程度

ひび割れ注入の場合は1Mに4コを取り付ける事が標準ですが場所によっては6コも付ける場合もあります。
価格差は施工単価に大きく影響しますね。

フロッグの場合はプラスチックの一体成型として逆止弁も自転車のタイヤの空気入れ部分と同じ構造で虫ゴムだけとなっています。
他の注入器具はバネ、Oリングなどの部品を組み合わせて逆止弁の構造となっています。
最初からコストダウンを考えた訳ではなく今までのものをこうしたらとか、ああしたらとかしているうちに結果安く出来たのです。
構造をシンプルにして更には素材も安いプラスチックですから安くなるのは当然ですね。

機能については今までのものと決して劣るところはありません。
これで売れない筈はありませんね。
・・・そ、それがあまり売れないのですね。何故なのでしょうか。
発売が去年だからまだまだ知らない人が多いんだよ・・なんて慰められますが。
生産量日本一になるのは夢で実現しない夢なのか・・・不安。

この商品が売れなくても低圧樹脂注入が一般の人に、そして職人さんに正しく知られ普及するとそれはそれでもいいのかなぁとも考えている今日この頃なのです。
今日はこれで。
明日はソフトボールの試合です。
ウインドミルを初めて30年になります。私の自慢の快速球は全てチェンジアップに見えるらしい。
おじさんは頑張るでぇすぅ。すぅごぉい・・・。マジっすか。自分てきにはてきはいませぇん。