低圧注入工法の問題点を工事現場から報告したいと思います 全国に数少ない低圧注入工事を生業とする専門店への啓蒙も微力ですが広く行いたいと考えています

フロッグの行く先

コンクリートのひび割れ補修の専門です

ひび割れ注入の工事価格

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前回に低圧注入器具の価格の比較をしましたが、その価格差が工事価格にどの程度影響するのかを報告しましょう。

ひび割れの低圧注入は標準的には1M当り4コを取り付けます。
特に大事な箇所であれば中には入らない器具の箇所もあると想定して余分に取り付ける場合があります。
多く取り付けるときは1M当り6コ程度です。

価格差を書く前に建築、土木の業界の価格表示については常識として設計価格というものと実行価格の二つがあります。
業界の人は当たり前だと思いますが全くの素人の方には解り難いと思いますので説明します。

設計価格はエンドユーザー(最終消費者)に渡る時の価格です。
実行価格は工事会社が建築会社等に提示する価格です。
つまり設計価格は耐久消費材で言う定価にあたります。
実行価格はお店で提示している本当の価格です。
最近の電気製品等は定価の表示をやめてオープン価格と表示していますね。

一般に低圧樹脂注入工事の1M当りの価格は1万円程度です。
実行価格は6千円程度となります。
この価格は足場とかやりにくさとか時間とか色々の制約があるばあいは当然の事ながら割高くなります。
あくまでも標準価格です。

そこで注入器具がこの工事価格に一体どれだけの影響を与えるかというと。
工事価格の中には手間と経費そして材料代(器具も含む)となります。
その割合は大まかに半々です。
一般に工事価格の中の材料費が占める割合が大きければあまり儲からない仕事と言われています。
材料費が少なく殆ど手間賃のような仕事は儲かるといわれています。

医療、コンピューターのソフトなどは手間賃が殆どですね。
コーヒーなども材料費のウエイトは少ないですね。

注入工事の場合は実行価格の半分が材料代として、3000円が材料費となります。
注入器具の価格が500円の場合は1M当り標準では2000円も掛かってしまいます。
残りの1000円で仮止めシール費とエボキシ樹脂の費用としなければ工事価格は6000円ではできません。
これでは非常に厳しいですね。
もともとの設計価格を引き上げないと合いませんね。

フロッグの場合は高めの200円としても1M当り800円ですみます。
もし余分に取り付けるとしても1200円で済みます。

低圧注入工事費に占める器具の価格は大きく影響します。
厭な事ですが価格が合わないからといって器具の取り付けを少なくするような事も聞きますがトンでもないことです。
将来の重大事故防止の仕事なのですから。

もともとの設計価格を上げるといいのでしょうが常識的に考えて1Mのひび割れを補修して1万円より以上では高すぎるのではないかと思います。

ひび割れの補修工事には他にUカット工法がありますがこの価格は1M当り1500~2000円です。
その機能は全く違いますがあまりにその差が大きいので将来にミミズが這ったように変色するけど、まあいいかその時にやり直してもまだ安いからとなりませんか。

低圧注入工法の普及を願うなら常識的な価格に引き下げる事が必要なのです。
兎に角いまのままではいけません。
高すぎます。