低圧注入工法の問題点を工事現場から報告したいと思います 全国に数少ない低圧注入工事を生業とする専門店への啓蒙も微力ですが広く行いたいと考えています

フロッグの行く先

コンクリートのひび割れ補修の専門です

ひび割れの中を覗いたら

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写真はひび割れた部分を横から覗いたものです。
このカメラはボアスコープと言いますがレンズの大きさは直径3mmです。
コンクリートのひび割れたところを横から5mmの穴を空けてひび割れの中を覗いています。

残念ですが慣れない方が見てもどういう風にひび割れが入っていて、その幅などはなかなか判りにくいと思います。

やはり胃カメラ程度の大きさでなければその全体像が判りませんね。

このカメラが殆ど普及しなかったのはその解りにくさがそうだと思います。高価だったというのもありますが。

低圧注入工事をしたその結果がもっと簡単に解るとこの業界も随分変わったと思います。
どう考えても完全に充填が出来そうもない器具なんかはとっくに淘汰されていたでしょうね。

もともと樹脂の継ぎ足し機能がない器具が、ある時期に継ぎ足しをしなければ完全に充填が出来ないという事を公的機関が言い出したら、途端にその器具は継ぎ足しが出来ますという・・・・。
改良してできるようになったと言うならそれは理解できますが今までと変わらないのにいきなりできると言う。

手間を余分に掛けて工夫するとできるらしい。

これはどんなことなのか解りやすく例をあげて説明しましょう。

自動車に例をとると
もともと低燃費でない車なのに、ハイブリット車に対抗してこの車も燃費がいいですよと言う。
どんな方法で証明したのかというと坂の上からエンジンを切って降りてきて燃費がいいでしょうと言うようなものです。

やってやれない事は無いけど手間と時間が掛かってそういうのは燃費がいい車とは言いませんね。
(今の車はエンジンを切ってニュートラで走るとブレーキ、ハンドルが利かなくなりますから危険。
 昔の車はイロハ坂を下まで降りても平気でしたけど)

低圧注入器具は樹脂に圧力を掛けながら静かに微細なひび割れの中に充填していきます。
その器具は注ぎ足しの為に空になった器具を壁などから外して他の場所で充填して再び元の位置に取り付けて再注入を開始するそうです。

空になった器具を壁等から外したら今まで圧力を掛けて入った樹脂は圧力が抜けるために表に逆流して溢れて来ます。この場合はどうするのでしょう。
表面が溢れた樹脂でドロドロに汚れてもその漏れた分も余分に注入すればいいとでも言いそうですが。

面白い事にこの器具のこの弱点を知ってこの部分に逆止弁を特許にして似たような製品を造ったメーカーもあります。
我が社のものは注ぎ足しの為に取り外しても、小さな金属の玉を付けていますから逆流はしませんよ。
と言う事らしいのです。

この二社は両方とも上場企業なのですよ。
この二社を見ていると悪いけど中国の会社のようです。
真似した会社のものは逆止弁の所だけ改良して他はそっくりの商品です。模造品みたいですよ。
どうせ造るならもう少しデザインを変えて模造品に見えないようにすればいいのにと思います。

日本の会社はあからさまに真似る事は嫌うところがあってそれが技術向上の力なのにと思いますね。
日本人は完全主義的なところがあって色々な製品は基本的に問題があればすぐに改良してしまいます。
このことが世界に誇れる工業立国なのです。

こと注入に関してはまだまだ未成熟なのでしょうね。