上の写真は水道局の建物で内部から低圧注入している状況です。
下の写真はそのひび割れたところの裏側の外部の写真です。
今回の注入の条件は外部のタイルを汚さない事、但しエポキシ樹脂はタイルまで到達させる事なのです。
注入を経験している人ならそんな魔法みたいな事はできないよと思うでしょう。
内部のひび割れから圧力を掛けて樹脂を入れていくわけですから、その注入量が少しでも多ければタイル面に溢れて流れ出すでしょうし、溢れた時に直ちに止める装置などはありませんから無理・・・。
ところが我がフロッグを扱い慣れるとこんな風に僅かなところで寸止めできるのです。
写真のタイル面の目地が黒くなっているところはエポキシ樹脂がまわってきている状態なのです。
コンクリートとタイル面のひび割れにはほぼ完璧に注入できているということなのです。
関係の無い人にとってはタイルが多少汚れても拭き取ればいいんじゃないのと思うでしょうが、そこが
我々にとっては大変にこだわっている部分なのです。
溢れてそのままにしておくとエポキシ樹脂は接着剤の中では最強の接着剤ですから一度固まってしまうと
熱を掛けない限り殆どとれません。リムーバーもあるにはありますが簡単ではありません。
話は変わりますが接着すると言う事の原理は未だに解明されていないと言うのは知っていますか。
ものはどうして接着するのかは推察では解っているのですが、これが正しいというような決まった原理は
無いのです。
私は化学の勉強はしていませんので詳しくは知りませんが、若いときに会社の技術者に教わったのですが
接着の原理には化学的結合、融解の結合、物理的結合などらしいのです。
詳しくは忘れましたがつまり接着した面の分子を解明すると次のようなものらしいのですがはっきりとした原理は不明とか。
例えばガラスとガラスをくっつけると間の空気が抜けて真空状態になり接着するという原理
木と木を接着させるのに接着剤をつけて接着させますが、これは接着剤が木の表面の粗面に食い込んで引っ掛けて接着しているという投錨効果の原理
プラスチックの表面に溶剤を塗り表面の分子を溶かして接着する原理
などなどなのですがエポキシ樹脂とコンクリートはどんな原理でくっついているのでしょうね。
樹脂がコンクリートの表面に浸透して粗面に引っ掛けて接着しているのでしょうか。
それともエポキシ樹脂とコンクリートの分子がくっつく時に空気を追い出して真空状態にしているのでしょうか。
男女がくっ付く原理は百も承知なのですが・・・。