0.3㎜幅の微細なひび割れの中にどうして雨水が浸入してくるのでしょう。
建物の微細なひび割れの特徴は通常の風を伴わない雨の場合は殆ど室内までには漏水とはなりませんが台風時のように雨水に風を伴うと途端に雨水は室内に侵入してきます。
例外的に2日間も続く長雨の場合には場所によっては雨水が侵入してくる場合もありますが。
このような現象は室内と雨が降っている屋外の間に気圧の差が出来るからなのです。
木造の住宅にある現象ですが普段の雨ではなんとも無いのに台風の時に限ってサッシの角付近から雨水が浸入してくる場合があります。
このような場合が外と中の気圧の差が発生しているからなのです。
微細な隙間とかひび割れの場合の特徴的な現象なのです。
微細な隙間に樹脂を入れる場合に強い圧力を掛けて樹脂を押しても絶対に入っては行きません。
台風時のように小さな圧力差を加えて樹脂を隙間の中に押すと徐々に侵入していきます。
台風時に起きる室内との圧力差は大まかに2~4㎏/cm2程度なのです。
フロッグは器具の中にこの圧力を発生させて樹脂をひび割れの中に押し入れるシステムの器具なのです
0.05㎜から0.7㎜の微細なひび割れはこのような方法でしか樹脂は充填はできません。
ひび割れの真ん中に振動ドリルで穴を開けて、そして手動式のグリスポンプで樹脂を入れようとする職人さんがいますがこの方法は間違いです。
殆ど樹脂は入りません。
時々いるのですよこんな素人のような職人さんが。
ひび割れの注入補修工事でグリスポンプを使う職人さんに言いたいですね。
ならばどうして低圧樹脂注入器具メーカーが存在するのですか?
その方法では樹脂はひび割れの中には入っていかないからこそ色々と研究をして低圧注入器具を造っているのですよ。
グリスポンプで注入が出来るならなにもお金を掛けてまでして開発はしません。
ひび割れ注入工事はその結果が見えないものだからインチキをしても解らないと言うところに苦労があるのです。
いくら優れた器具を造ってもそのような基本的な事が解らない人達が工事をしている為に優れた良い商品がなかなか普及しないと言う事にもなります。
だから一部には注入工事は信頼できない工法だと言われる所以なのでしょうね。
一般の人達はまさかそんなインチキをと思うかもしれませんが、私はむしろ樹脂が入らない工事の方が多いのではないかと思っています。
現場の大手の建設会社の監督すらそのような基本的なことも知らない人がかなり居るのですから。
施主も監督も施工店も職人も詳しくは知らないという場合の工事はこうなってしまいます。
信じられないと思いますが現実はそうなんですから。
将来の重大事故防止の工事だと言うのに・・とおもいますが、現実には改修工事の現場でも過去に10年間もひび割れがあってもどうって事はなかったのだから塗装で処理すればいいだろうという現場が圧倒的に多いのです。
確かに、でもね、柱とか梁、耐力壁は勘弁して欲しいですよね。
欠陥マンション事件のときに誰かが言っていましたが、多少鉄筋の本数を減らしても地震がきて倒壊すれば何が原因かは解らないもんね・・・・。
なっ、なるほどね・・・。