低圧注入工法の問題点を工事現場から報告したいと思います 全国に数少ない低圧注入工事を生業とする専門店への啓蒙も微力ですが広く行いたいと考えています

フロッグの行く先

コンクリートのひび割れ補修の専門です

社会起業家って具体的にはどんな会社?

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最近、よく社会起業家という言葉を聞きますが、一般の会社の企業家とどのように違うのかがあまりはっきりとは解りません。

社会起業家は会社の営利目的よりも社会貢献を目的とした会社の経営を目指す起業のことだそうです。

良く解りません。

会社設立の目的はどんな職種の会社であっても社会貢献が目的となっている筈で、公共の福祉に反する会社の設立は株式会社設立の法でも認めていません。

例えば開業届けに泥棒の補助をする紙幣抜き取りロボットの製造の届けを出したら必ず却下される筈です。

どんな会社であっても社会に貢献しない会社が有るのでしょうか。
社会に一切必要としない商品を造って販売しようとしてもそんなものは売れる訳はないし、会社の経営は成り立たないと思うのです。

例え赤字の会社であっても、少しでも商品が売れていればその商品を買う人にとっては有意義な物なのでしょうから社会に貢献していると言えます。

最近の若い人達にそのような社会起業家の会社に投資しようという投資グループが有るらしいのですが、投資は善意なのでしょうか。

この事についてはもう少し勉強しましょう。
それなりに何か有意義なのでしょうから。


今日は写真に有るピンニング工法についてお話をします。

建物の改修工事の中にモルタル、タイルの浮き補修という項目があります。
この補修に使用する材料の一つが写真にあるビンニングです。

近年に建てられる鉄筋コンクリートの建物は、型枠の中に鉄筋を組みそしてコンクリートを流し込み、養生後に型枠を外したらコンクリート粗面の外壁が出来上がります。

その外壁に直接タイルを貼ったり、仕上げ材を吹き付けしたりして出来上がります。

1980年ごろからこのような建築の方法が多くなってきましたがですがそれ以前は、上記の工程にモルタル補修という工程が加わっていました。

型枠の精度がよくなかったために型枠を外すと外壁の表面に不陸(ふりくとはおおきな凸凹の事)が発生してそのままでは仕上げ材などは吹き付けられません。

そのために左官屋さんがモルタルで表面を平滑に仕上げていたのです。

その仕上げたモルタルの上に仕上げ材を吹き付けしたりタイルを貼り付けていたのです。

このモルタルが長年の経過でコンクリートと肌別れした現象を『モルタルの浮き』という言い方をしています。

この工法の時期的な普及のずれは、建てた建設会社の技術にもよりますから最近の建物でも全面ではありませんが、部分的にはこの補修モルタルの施工は有るようです。

浮き注入という工事は、このような構造でできたモルタルの浮きの隙間に樹脂を注入して接着するという目的の為に行なうものなのです。

モルタルとコンクリートの僅かな隙間に樹脂を入れるのですから色々と難しい問題がありますが、今は
その部分に穴を開けてその穴から樹脂を高圧で充填するというような方法が主流になっています。

色々な問題とは次の事があります。

隙間は0.1㎜であったり0.5㎜であったりで、内部なので計測は不可能ですが1㎜以上というものは殆どありません。

表面から見て盛り上がっているような大きな浮きの場合は殆どその部分はハツリ取り再度モルタルを塗り直します。

問題なのは、ひび割れ補修のときに微細なひび割れ幅の場合は低圧注入工法でなければ樹脂は入らないと報告しましたが、この浮き注入の場合も微細な隙間なので本来は低圧で注入しなければ確実な注入は出来ない筈なのです。

でも実際はグリスガンによる100k近い力で樹脂を圧入しています。
他に有効な方法がないのです。

低圧工法で注入は出来るのですが手間が掛かるという事そして高価になるという事と更には物理的に留めた方が良いということもあり殆ど使いません。

100kの強い力で樹脂を隙間に押し入れると、今まで0.1㎜の隙間だったものが高圧でも入るような隙間に広げてから樹脂を入れていくシステムなのです。

そうなのです。浮き幅を更に広げてから樹脂を充填するのです。

我々は共浮きをしていると言いますが、浮き部分の隙間を補修しているのに更に隙間を押し広げて樹脂を入れるのです。

場合よっては樹脂を注入すればするほど浮きが広がって行き、きりが無いという事があります。

そのために、最近では注入した結果の検査については、打診棒でその箇所を叩いてその音で判断していますが全面の注入確認ではなく穴を開けた箇所より直径100㎜範囲で注入が出来ていればokとしています。
部分接着という事です。

全面の注入は空気が逃げれないという事と、共浮きを発生させるという事で検査では部分注入でokとなっています。

写真の右側は注入口付きアンカーピンといいます。
穴を開けて切粉を除去してからこのピンを挿入します。
そして注入口から開脚棒を挿入して、そしてハンマーで叩いてこのピンの脚を広げます。

このピンは躯体に足を広げて物理的にモルタルとコンクリートを固定するのです。
物理的に固定してから更に樹脂を注入口から高圧注入をして化学的にも接着させるという工法です。
この方法だと共浮きを防ぐ事も可能になります。

この場合は樹脂が確実に隙間に廻らなくてもピンによるアンカー効果の力がありますから確実に浮きによる落下は防止できます。

参考ですがこのピンの引き抜き強度は160kはあります。
モルタルの160Kの重量までは保持できるという事です。

浮き注入は重大事故防止の工事ですから、このように物理的に留めて更に化学的に接着させるという二重の方法が良いに決まっていますね。
これぐらいのピンは使って欲しいですね。

でも一般的には高価とか手間が掛かるとかでなかなか使われないようです。

次回は一般的に使用されている左側の問題の全ネジピンについて報告します。

今日はもう寝るべぇ・・。