低圧注入工法の問題点を工事現場から報告したいと思います 全国に数少ない低圧注入工事を生業とする専門店への啓蒙も微力ですが広く行いたいと考えています

フロッグの行く先

コンクリートのひび割れ補修の専門です

低圧注入の仮止めシールの剥離性は

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写真は剥離性シールとフロッグの台座との接着性を試験している状況です。

フロッグの本体はポリプロビレンなので接着には不向きなのでプライマー処理には色々と工夫をしています。

知っていますか?

今の乗用車のバンパーは殆どポリプロピレン性のプラスチック製と言う事を。

強く衝突すると割れてしまいますよ。
一昔前のようにバンパーで車を保護するような構造ではないのです。

本来ポリプロピレンは塗料などは接着しにくいのですが、自動車メーカーがバンパーに使うとなったら樹脂メーカーはそれこそ先を争ってPP用プライマーを開発したのです。

フロッグのプライマーもそのPP用プライマーを採用しているのです。

仮止めの剥離性シールがフロッグの台座に良く接着するように比較試験をしているのです。


話は変わりますが、この剥離性シールについては今は問題山積なのです。

低圧注入の施工時に使用する剥離性仮止めシールは本来は施工後には簡単に下地から剥がれると言う性質のものなのですが、実際には剥がれない場合が多いのです。

この事については前回に報告していますが、その後も剥離性の苦情についてのメーカーの対応はありません。
そして、その性能についての改良などの研究なども全く行なっていない様子です。

特にタイルの外壁は剥離しない場合が多いようです。

タイルにひび割れがある場合はめんどうでもタイルを剥がして躯体のコンクリートから注入をした方が良いと思いますね。
それに、施工前に元請に外壁に傷が付くとの相談をした方が良いと思います。

施工前と施工後が変わらないと言うのが剥離性の仮止めシール材なのに施工後は削り取らないと取れないと言うのであればそれは剥離性ではありませんね。

全国の低圧注入の現場で、この剥離性仮止めシール材が剥がれないと言う事故が起こっているのですが殆ど問題とはなっていないのです。

何故だと思いますか?

施工する職人さんは専業ではないからその工事の頻度が少ない訳で、剥がれない事が問題とは気付かないのです。
この材料はそんなものかと文句も言わないで削り取っているのです。

剥離性という意味が解っていないのでしょう。

低圧注入工事は施工した跡が汚れて、傷が付くと言う事と思っているようです。

本当は汚れないように、傷が付かないようにと剥離性シールを開発した筈なのですが・・・。
外壁の進歩に剥離性シールの性能が追いついていないのです。

フッ素系の塗装とかタイルに残った糊とか、コンクリートの型枠の剥離材の変化などについて殆ど研究をしていないからだと思います。

今の各社の剥離性シールは10年前からその性能などは全く変わっていません。

昔に較べて剥離しない下地が多くなったと言う事は知っているのに何んの対策も立てないのですから呆れてしまいます。

これは使用する側から強く苦情として言わないからそれで良いと思っているのだと思います。
売れれば後はどうでもいいのでしょうか。

使用する職人さんにも問題があるのです。
剥離性シールが剥がれない時にはメーカーへ相談してその理由を知って貰いたいですね。
苦情を言わなければなかなか直しませんよね。

剥離性シール材はシーリング材と全く同様のものでカートリッジガンでひび割れの上にシールしたら必ずヘラで押さえなければいけません。

こんな事は基本中の基本なのですが、ヘラで押さえない職人さんがいるのには驚きます。

寿司職人が包丁を使えないという事と同じなのですが。

どちらにしてもこのままではいかんとですよ・・・。