低圧注入工法の問題点を工事現場から報告したいと思います 全国に数少ない低圧注入工事を生業とする専門店への啓蒙も微力ですが広く行いたいと考えています

フロッグの行く先

コンクリートのひび割れ補修の専門です

発生したひび割れを放置したら

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上の写真はコンクリートを打設してから半年で開口部にひび割れが発生しています。

下の写真は別の建物ですが1年検査で弾性タイルともひび割れていて低圧注入をしている様子です。

上の写真の建物の場合に、このまま放置してモルタルを薄塗りしてアクリル系の弾性の吹き付けタイルを仕上げた場合にこの部分は将来はどんな風になるのでしょう。

工期を急ぐ現場の場合と、ひび割れに対してあまり意識を持たない現場の場合は、低圧注入によってその処理は殆ど行なわないようです。

尤も、この部分の、この程度のひび割れは将来においても建物の構造に対しての影響は殆どありませんけれど。

私達の今までの経験からすれば、このような場合はひび割れの成長が更に進むのかこのまま納まるかによって将来に影響の違いがあるようです。

スーパーゼネコンの中にはどんなに工期が無くてもこのような場合は必ず低圧注入すると言う事を現場に指導している会社もあります。

引渡し後の苦情に過去においてうんざりしているのでしょうね。

どちらにしてもやらないよりはやった方が安心だと思いますね。

よく現場で多少のひび割れは仕上げ材が弾性だから表面には出てこないよ・・・なんて言う言葉を聞きま
すが、実際は殆ど当てにならない事なのです。


弾性の吹き付けタイルとかウレタン系の塗布防水は下地の動きに追従できるなどと安心している人がいますが、決して一概にそうとは言えません。

良く見かけるのは築後1年程度で笠木の上に塗布しているウレタン防水が下地のコンクリートのひび割れに追従できなくて同じように切れている場合があります。

このような現象は当たり前と言えばそうなのですが、殆どの人はどうして伸縮する材料なのに切れてしまうのかと不思議がります・・。

シーリング工事のなかに基本中の基本ですが、可動目地のシーリング工事の場合は必ず2面接着を守るように決められています。

被着体の目地底は絶対にシーリング材を接着させてはいけないのです。

シーリング工事店はこのために必ず目地底にはポリエチレン製の発泡材(バックアップ材)を貼り付けてから弾性シーリング材を充填します。

もしもシーリング材を目地の全面に接着させたら、シーリング材の動きが全く取れませんから必ず何処かで切れてしまいます。

つまりムーブメントに対してシーリング材の応力は接着によって拘束されてゼロになるのですから切れてしまうのです。

解りやすく言えば輪ゴムをそのまま両方に引張ったら自在に伸びますが、そのゴムを二枚の突きつけた平たい金属の板に強く接着させてその金属の板を両方に引張ったらどうなります。

金属の板の突きつけた部分のゴムだけが伸びようとしますが接着しているのですから輪ゴムは簡単に切れてしまいます。

それにもしも塗装メーカーが言うように、弾性タイルだから伸びて下地の動きに追従できるというのが本当なら我々の仕事の中から吹き付けタイルの場合は無い筈ですが、そんな事はありません。

リシンでも吹き付けタイルもマスチックタイルもひび割れている状態は皆同じです。

過去にひび割れで苦労したのならこんな場合も取り合えず注入しましょうよ。