低圧注入工法の問題点を工事現場から報告したいと思います 全国に数少ない低圧注入工事を生業とする専門店への啓蒙も微力ですが広く行いたいと考えています

フロッグの行く先

コンクリートのひび割れ補修の専門です

新しい擁壁のひび割れの場合は

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連休中は仕事です。

通常なら休みの日には道路がすいている筈なのですが、今日は平日よりも混んでいます。

今回の仕事は造成地の大きな擁壁のひび割れ補修です。

コンクリートの厚さは上下の平均で約1m程です。

引渡し前の真新しいコンクリートの擁壁ですから汚れない事が条件です。

当然ですが樹脂はひび割れの中に確実に充填しなければいけません。

低圧注入工法はドリル等で下地に傷をつけると言う事は一切、行ないませんが樹脂の漏れとか仮止めシールのブリード(染み)でコンクリートには染みが残ります。

通常の施工方法では必ず施工跡の染みが残ってしまいます。

そこで、あまり普及はしていませんが、施工前にひび割れの周囲に汚染防止のプライマーを塗布しておきます。

このプライマーは以前に私が勤務していた会社で技術が開発した製品で非常に優れものだと思います。

コンクリートの粗面は浸透性が良いのでシーリング材とか接着剤を付着させて剥ぎ取るとかなり深く油脂分がコンクリートに浸透してしまいます。

このプライマーは水性で澱粉の成分なので施工完了後に水を掛けて擦り取ると殆ど元通りになります

表面に塗装などを施工しない場合はそのままでも殆ど目立ちません。

写真はそのプライマーを塗布しているところです。

乾燥後に剥離性の仮止めシール材でフロッグの取り付けとひび割れの仮止めシールを行います。

注入時に絶対に液漏れを起こしてはいけません。

そのために仮止めシールは幅広くそして必ずヘラ押さえをしてください。

このヘラ押さえをしない職人さんが多いのですが、シール材は押えるものだと理解して欲しいものです

強く押さえないと確実に下地に密着はできません。

そして仮止めシール材の施工方法は写真のようにフロッグの取り付けの部分も一緒に行って欲しいのです

シールはヘラ押さえをしますがこのようにシールが切れないようにすると隙間からの液漏れは更に防げるのです。

この丸いシールの上にフロッグの台座を強く押さえつけると確実に取り付ける事が出来ます。

押さえた時に丸いシールが小さくなりますが、決してひび割れを潰さないようにでも出来るだけ注入口は小さくしてください。

この部分の技術は慣れによって確実に出来るようになります。

職人さんによってはカートガンでシール材を丸くはできないと言いますが、プロなら練習して欲しいと思います。

注入は超低粘度型の樹脂を2回、低粘度型を2回、そして中粘度型の樹脂を1回、計5回の注ぎ足し注入を行っています。

場所によってはフロッグ1コに90ccも注入しているという事になります。

擁壁のひび割れの注入工事の目的はコンクリートの補強ですから樹脂は入るだけ入れるという気持が大切です。

入れすぎても問題はありません。


余計な事ですが注射器に輪ゴムで注入するタイプとかゴム風船タイプでは、このように汚さないで更には

注入圧力の調整ができないでしょう・・・こんな場合はどうしているのでしょうか。

ひび割れの奥行きが1Mもあればかなりの強い圧力と樹脂量が必要ですよ。



休み前は地下室の止水工事でしたのでモグラのようでしたが、今回は郊外の造成地なので空気が美味いのです。

少しは酸素を余分に取り戻したかな・・・・・。