低圧注入工法の問題点を工事現場から報告したいと思います 全国に数少ない低圧注入工事を生業とする専門店への啓蒙も微力ですが広く行いたいと考えています

フロッグの行く先

コンクリートのひび割れ補修の専門です

大雨災害は堰堤で防げるか

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山間の集落にとっては山頂に近い沢からの大量の雨水と土石流は大きな被害となります。

小泉政権から行政改革の掛け声と共に写真のような山間の堰堤工事が極端に少なくなっているそうです。

例えば群馬県と長野県の県境の町には喫茶店、食堂よりも土建屋サンの方が遥かに多いというような比喩

したような話がありました。

過去には、いつ起こるかわからない大雨の災害のために公共事業としてこのような堰堤が沢山作られてい

ました。

その当時は今のような極端な異常気象は少なくその為にこのような堰堤は色々と批判の対象でした。

でも、最近の異常な大雨とそれによる災害を見るとむしろ堰堤は必要ではなかろうかと素人の私でさえ

そう感じるようになっています。

堰堤は沢の上部から流れ落ちてくる土、石をコンクリートの重量で山下へ流れ出すのを堰き止める為の

小型のダムのようなものです。

この堰き止める構造の堰堤の問題点は土、石が堰き止められた谷間に一杯になると次に流れ出した土石流

はその上を乗り越えて山下に流れ出していきます。

満杯になった土、石をその都度撤去すればいいのですが、残念ながらそれはできません。

我々がひび割れの補修の注入工事をするのにも車は途中まで。

現場までは山登りなのです。

土、石を撤去する重機の道がありません。

新築のときは工事専用の道路を造りますが、完成と同時に道路は撤去してしまうのです。

堰堤のひび割れは強度に大きく左右されます。

堰堤はコンクリートの塊のようなもので、目的はその重量で土石流を堰き止めるのですから鉄筋は入って

いません。

堰堤に半分から貫通したひび割れが発生すると、その強度は半分になります。

コンクリートの塊が半分づつとなるのです。


このひび割れの低圧注入にはかなりな技術が必要です。

樹脂の選定と強めの圧力が必要となります。

超低粘度型から中粘度型までをひび割れの幅と奥行きによって使い分けます。

熊が襲ってくるかもしれないので手早く、早くしろよ・・・早く。


輪ゴムタイプとか風船タイプでは確実な注入は無理です。

コンクリートの厚さとか深さは1mを超えます。

上部から水の通り道の開口まで5mもあります。

フロッグのような注ぎ足し機能があり圧力を上げる事が出来なければ確実な注入はできません。


でも、結構、輪ゴムタイプとか風船タイプが多く使われていたのですよね。

適当な施工でも災害になってしまえば誰にも解らないってかぁ・・・、なるほどね。

それは、絶対に許しませんよ・・・・。