昨日の夕方にフロッグのシンパ工事店の職人さんから嬉しい事があったとの連絡がありました。
現場は群馬県の八ッ場ダムの取り付け道路の橋梁のひび割れ補修現場とか。
注入作業をしていたら国土交通省の技官とコンサルタントの方が視察に来たそうで、フロッグの中の樹脂
が減って暫くしたら見えなかった微細なひび割れから染み出したところを見て大変に驚いていたそうで
す。
『こっちの工法のほうがいいよね・・・』と話していたそうです。
本人も嬉しくなって色々と講釈をしたらしいとか・・・・。
樹脂の注ぎ足しとか樹脂の硬さとひび割れ幅との適合性とかさらには剥離性のブリード防止の方法とか。
『それで、あっちの方法とはどこのメーカーのものだつたの』
『なんとか○ン○とかいうゴム風船タイプの製品だったらしいよ』
『どうして駄目だったの』
『なんだか樹脂が漏れていてひび割れの中に入ったかどうか解らなかったらしいよ』
『名刺を貰った?』
『いや、逆にくれといったので私のは渡したけど、相手はくれなかったよ』
『ふぅーん・・・・』
こんな風にひび割れの中に樹脂が入っているかどうかを、技官自ら気にするようになったと言う事は、土
木でも少しは問題意識が出てきたのかと期待です。
公的な構造物には、大切な税金を使うのですから対価に値しているのかどうかは厳しく見てほしいと思い
ます。
低圧注入工法がどうして不確実な、いい加減な工法と言われるのかはこのブログで何度も報告しています
がそもそもこの工法が土木工事の中からできたものだからそうだと言えます。
土木工事は現場が辺鄙なところが多いためにわざわざ専門店を呼ぶと言う事はしないような土壌がありま
す。
シーリング工事、防水工事等も簡単なものは殆ど雑工事の方達が見よう見まねで施工する場合が多いので
す。
低圧注入工法も、そもそもその雑工事の方でも出来るように造りあげたということもありその方法も大雑
把になっています。
だから、風船タイプも注射器タイプも施工が難しいものは一切使用しないようになっています。
例えば樹脂にしても一種類だけだし、仮止めシール材も難しいカートリッジガンではなくヘラで塗れるよ
うなパテタイプとしています。(今はカートリッジタイプも造っているようですが)
ひび割れの中に確実に樹脂を入れることよりも施工の簡単さが大事だったのだと思います。
樹脂の注ぎ足し機能を考えない、更には硬い樹脂は注入できない器具なんて今の技術からするとと
ても考えられない事です。
写真は、柔らかい樹脂を注入した場合に時間とともに下のほうへ樹脂が流れ出すと言う検証です。
樹脂は低粘度型で、ひび割れ幅は0.4mmです。
注入して10分で流下してしまいます。
現場のひび割れの中でも樹脂が柔らかすぎると時間とともに樹脂は下のほうに流れてしまうのです。
柔らかい樹脂を注入したら必ず次の硬い樹脂を注ぎ足して流下を止めてしまう事が確実な施工なのです